Media Integration, Inc. Staff Blog

Staff Blog!

20 8月 14

ミックスで「出すところと絞るところ」


スタッフHです。

久しぶりの「MixがうまくなるTips」記事の更新です。

本日はストリングスカルテット(四重奏)の素材をネタに、ミックスの中で「出すところと絞るところ」を処理するステップを解説。素材こそストリングスですが、本日のネタの「考え方」は、シンセやギターを重ねるときにも同様のテクニックとして活用できるのではないかと思います。


ストリングスの四重奏。私は数えるほどしか生演奏やレコーディングの現場を聴いたことがありませんが、響きのよいホールで、ある程度の距離を取って聞くことと、マイクを通して聞くものは違いがあります(この違いの補正こそがミックスの1つの楽しさともいえます)。ミックス作業に入る前に、それぞれの楽器が「どう響いてほしい」かをまずイメージすることが大切なのかもしれません。

本日使用しているプラグインは、SonnoxのSuprEsser。Sonnoxならではの非常に特殊なプロセッサーではありますが、今回行っているビデオ内容をご覧いただくと、特殊な処理に使っているという訳ではなく「出すところと絞るところ」の耳の使い方に終止している事がお分かり頂けるかと思います(プラグインが特殊だからできる処理、ではないという意味で)。

もちろん、Sonnoxのプラグインならば「より確実に、より効率よく」ミックス作業が楽しめることもお約束いたします!

いかがでしたか?

前半はこのセッションがどういうものかの解説。のちの処理との比較のため、ぜひこの部分もチェックしてみて下さい。

  • 40秒〜

ミックスにおける最も大事な部分。それは「どういう音に仕上げたいのか」をイメージすることです。私のように優柔不断かつ目的なくミックスをしてしまうと「なんか良さげな音になるプラグインないかなー」などと言いながらやるのではなく(これはこれで楽しいのですけど)、「こうしたい」という目的をしっかり持つ事が、ミックス上達への第一歩です。

ここでは、どういう着地ポイントにするかが語られています。

  • 48秒〜

ここからが実際の処理です。SuprEsserはもともと「指定した帯域の中で、指定したピークの瞬間だけを取り去る」ツールですが、ご覧の通りまったく反対の処理も可能。楽器もエフェクターもプラグインもそうですが、ルールを破った使い方にも面白さがある、という好例かもしれませんね。

  • 1:05秒〜

かつて私がレコーディングやエフェクターに興味を持ち始めた頃、原音とエフェクト音をミックスする、という行程はリバーブとか、ディレイの空間系、モジュレーション系のエフェクトに対して使うテクニックでした。しかし近年では、ダイナミクス系のプロセッサーでも原音とエフェクト音をミックスするというテクニックが効果的に使用されています。ここでは、この感覚を養いましょう。

  • 2:00秒〜

ここまではビオラの処理がメイン。ここからはバイオリンの「キツい高域」を絞る処理です。みなさまがミックスしたい対象がシンセやギターなどであっても、考え方は一緒かと思います。ここの処理によって、演奏の「温度」を取り戻すような効果に繋がっています。一級のエンジニアがどういった差(処理前・処理後)をもって「温度」と表現するのかを併せてチェックしましょう。

  • 3:00秒〜

ここで最後の処理、Oxford Inflatorを使用した、ごく僅かなプレゼンスの処理です。ここの差は最も一級のエンジニアらしい「耳の使い方」をチェックして頂きたいところ。ただ単にボリュームをあげただけではない処理に注目(耳)です。

SonnoxのOxford Inflatorは、その発売された時期もあったためか「音圧が上がったような処理をするもの」と思われがちですが、このようなクラシカルなソースでもその効果を発揮します。生演奏とレコーディングされたものに違いを感じることが多い方であれば、特に有効でしょう。これに関しては、本ブログの過去記事にジャズレコーディングを行うエンジニアのコメントがありますので、ご参照ください。


本日の記事は、特殊なツールを使うという事がテーマではありません。同様の作業は別のツールを使っても可能かと思います。まずチェックして頂きたいのは、一見エンジニアが「こんな感じかな」とクイックに作業を行っている裏にある「耳を使った作業」の部分。

SuprEsserは、こういった耳を使った作業をより快適にこなしてくれるツール。私のようにまだまだ耳の鍛えが甘い人間にも使えますが、耳を鍛えた方ならさらに強力なツールになるでしょう。

Sonnox SuprEsser 製品詳細ページ>>


21 5月 14

補正系のプラグインを「クリエイティブに」使う


スタッフHです。

久々の更新となる「MixがうまくなるTips」、本日は「意外な方法でプラグインを使う」流れを解説。使用するプラグインはSonnoxのSuprEsser。ビデオでも冒頭で語られている通り、高機能なディエッサーでもあり、高域のみならず全ての帯域で使用できるアクティブEQでもあり、とにかく万能なツールです。

SuprEsserを持っていれば非常に楽に、かつ正確にこのTipsを使いこなす事ができますが、まだお持ちでない方は

  • どれくらいのコンプレッションをドラム全体に掛けていいのか(心地いいのか)
  • パラレル・コンプレッションによって得られる豊かなドラムサウンド
  • ドラムミックスのバランス

辺りを参考にしてもらえればと思います。

いかがでしたか?ビデオ序盤ではちょっと線が細めに感じたドラムサウンドが、終盤にかけて図太く、各段に格好いいサウンドに仕上がった事が確認できます。ではそれぞれの見所を。

今回のビデオは、大きく分けて前半・後半の2部構成。

  • 0:00〜

前半は、ドラム全体にSuprEsserを使ってコンプレッションをする手順を解説しています。リアルタイムに表示されるアナライザーを見ながら、自分でピークを確認し、狙った帯域だけに向けてスレッショルドを下げる。一見機械的にコンプを掛けているだけのムービーに見えますが、インプットボリュームをちょいちょいといじったり、Dry/Wet機能を触ったときのサウンドの変化にも耳を傾けてみて下さい。

  • 1:25〜

コンプを掛けるということは、「音を潰す」ということ。ここではInflatorを使って潰されたサウンドをゲインアップして取り戻す、という作業に触れています。ここはぜひサウンドの変化とともにチェックしてほしいところ。コンプレッションによって鈍くなったハイエンドも、Inflatorによって取り戻している事をチェックして下さい。

相互のプラグインによって起きる変化を聞きながら、SuprEsserのパラメータを調整しているとこともポイントです。ここまでの処理によって「ドラムにいい感じの熱さ」が得られた、とビデオでは解説しています。


  • 2:06〜

ここからが後半です。前半では全てのドラムトラックを1つのバスにまとめ、そこにプラグイン処理を行っていましたが、ここからルームマイクだけを独立させ、個別に処理をしています。

使用しているプラグインは、前半同様にSuprEsserとInflator。ルームマイクのトラックをAUXにセンドして(トラックコピーでもOK)、何も処理していないルームマイクと、プラグインで処理したルームマイクを「混ぜる」手法。ビデオでは「パラレル・コンプレッション」と解説しています。

キツめに掛けたコンプサウンドを、元のトラックに混ぜる。元のニュアンスを残したまま、コンプサウンドをブレンドする。ビデオではブレンドあり、なしを随時比較しています。サウンドがどのように変化するかをチェックしてみて下さい。


ビデオ最後にも触れられていますが、今回のミックスではリバーブを使用していません。にも関わらず、ルームマイクへの効果的なコンプレッションによって、ルームリバーブでも掛けたかのような奥行き、立体感を作り出すことに成功しています。

もともとSuprEsserは、特定の帯域の「出っ張ったピークのみを削る」ツールとして登場しました。しかしこうして視点を変えれば、元のサウンドになるべく変化を起こさせないコンプとしても使える事がわかります。

補正系プラグインをクリエイティブに使う、他のプラグインでも試したくなるテクニックですね。


25 2月 14

リバーブで作るドラムの「抜け」


スタッフHです。

好評連載中の「ミックスがうまくなるTIps」。Sonnoxプラグインを使った内容ではありますが、他の似たような処理ができるプラグインを使っても参考になる(Sonnoxなら「より確かな」効果をお約束します!)記事です。

前回、前々回と同一のセッションを使って、ギター編(ギターの壁を作る)ベース編(DIシグナルとアンプシグナルで作り上げる)をご紹介して参りましたが、今回は最後のパーツ「ドラム編」です。

轟音で鳴っているギターやベースのセッションにおいて、ドラムのサウンドメイクは結構難しいものです。アタックを強調しようとして「ぺちぺち」な迫力のないサウンドになってしまったり、ドラムの鳴りを派手に響かせようとしてギターやベースとぶつかってしまったり。どういうサウンドに仕上げたいかにもよりますが、この三者のバランスによって、迫力の出方はまったく変わってきます。全てのトラックを「派手に!」なんて処理をしようとすると、きっとうまく行きません。ギター編、ベース編をまだご覧になっていない方は、まずこの2つから参考にしてみて下さいね。

さて、本日はドラムです。

今回のドラムトラックは、実際のアコースティックドラムをレコーディングしてきた素材をもとにしています。もちろん、BFD3などの大容量ドラム音源などでも同じ考え方で参考になるはずです。キック、スネア、ハイハット、タム、そしてオーバーヘッドにルームマイクの素材を使用しています。

最初のステップ(0:00〜)

このドラムトラックは、すべて1つのAUXバスにまとめられています。ここに、SonnoxのInflatorをインサート。もともと音を派手に仕上げるプラグインですが、ここでは「ごくわずか」な効果を狙って使用されています。「ごくわずか」がどれくらいの量感であるか、感覚を養いましょう。

キックトラック(0:54〜)

キックに使用されているのは、Oxford SuprEsser。指定した帯域の「邪魔なピーク」だけを取り去るプラグインですが、なんと低域の「補強」に使えるという裏技を公開。プラグインの使い方にルールはない、という好例かもしれません。SuprEsserはSonnox独自の魔法のツールなので、似たような処理ができる別のものは少ないかもしれませんが、お持ちの方はぜひこのテクニックを試してみて下さい。

また、このようなセッションでキックをどのようなサウンドに仕上げるとよいのか、参考になるかと思います。ここでは、プラグインの効果よりも「サウンドそのものの変化」を聞いてみてください。

スネアトラック(1:30〜)

スネアにリバーブを掛ける、というのは多かれ少なかれ、どのようなセッションでも行われていることかもしれません。しかし、ここで注目していただきたいのは、奥行きを得るためのリバーブではなく、「スネアの抜け」を作るためにリバーブにセンドされているということ。リバーブを掛けたら音が広がって、抜けとはほど遠いような気もするのですが…… これが不思議と「抜け」に繋がる処理に繋がっています。ビデオでビフォー・アフターをチェックしてみてください。

オーバーヘッド(2:02〜)

オーバーヘッドはドラムキットのすぐ上に立てられたマイクのサウンドですが、このトラックにもまずリバーブ(ルームリバーブ)が使われています。ドラムキットから距離のあるマイクなのに、さらにルーム感を付加する。ともするとボヤボヤの音になってしまいがちですが、どれくらいのリバーブが効果的なのか。これもまた、感覚を養いましょう。

だいじなこと(2:50〜)

ビデオ中「ドラムだけ聞くと、リバーブが大きすぎると感じるかもしれない」という辺りからは、ミックスの心得のようなものを解説してくれます。ここもぜひチェック。

ルームマイク(3:05〜)

ビデオでは「最も大切なルームマイクの仕上げ」と前置きをして解説がスタートします。最初にInflatorの解説が少しだけありますが、もっとも大事なのはその後。ルームマイクをどれくらいミックスに混ぜるのか。たった1本のルームマイクが、どのようにミックスに役立っているのかをチェックしてみてください。この後、ルームマイクへのEQについても解説されています。

ギター編、ベース編と続いてきた本Tips。迫力のあるギターサウンドに、ドラムやベースをどう仕上げるべきなのかを解説して参りました。もちろんこれはほんの一例ですが、このテクニックをもとに自分ならではのサウンドメイクにチャレンジしてみてくださいね。

>Sonnoxプラグイン詳細ページ


30 12月 13

DIとアンプで作るベースサウンド


スタッフHです。

2013年も間もなく終わろうとしています。今年も一年、多くの方にご覧いただき、ありがとうございました。できる限りの更新を心がけたつもりですが(また、ネタとなるTips記事も私の机にたまる一方なのですが)、振り返ってみれば思ったよりも更新できていなかったなと反省も残ります。

2014年にはもう少し、さまざまな記事をご紹介したいと大掃除の終わった自室より更新を行っております。

という事で今年最後のMixがうまくなるTips。本日はレコーディング黎明期からの手法、DIとマイク録りのアンプから作る、ベースサウンドの作り方Tips記事です。


本記事で使用しているベースサウンドの作り方は、前回ポストの「1本のディストーションギターから作るラウドなギター」記事の続編となっています。ラウドなギターの壁に、どうベースサウンドを作り上げていくのか。とかく団子になりがちなシーンですが、この仕上げ方ステップは多くの場面で使えるのではないかと思います。

ビデオはいつも以上に「クイック」に進行します。『こういうパラメーターにしたらOKだよ』なんて説明はありませんが、一級のエンジニアの一挙一動に目と耳を向けると、きっと多くの事が発見できるのではないかと思います。

低域への処理が多いので、可能であればモニタースピーカーのある環境や、ヘッドフォンでチェックしてみてくださいね。

いかがでしょう。

現代のベースのレコーディングでは、DIとアンプの2つのシグナルを使ってサウンドを作り上げるのは定石ともいえます。DIはベースの芯の部分。アンプは色気や味わい、キャラクターの部分と言い換えてもいいかもしれません。そして、もっとも肝心なのはこの2つのシグナルの「バランス」です。

● DIレコーディングの処理

ビデオでも解説されている通り、DIトラックの処理に使われているのはOxford SuprEsserとOxford Inflator。Oxford SuprEsserはとても個性溢れる製品で、自分で決めた帯域の中だけに作用するダイナミックEQ(その帯域の中で、音量的に過剰なものが入ってきた時だけに作用するEQ)です。

「なんだ、特殊なプラグインを使って処理しているんだったらTipsでもなんでもないじゃないか」と私も一瞬思いましたが、このDI編では「DIシグナルをどういう傾向のサウンドに仕上げるのか」を参考にしました。中にはDIシグナルだけで素晴らしいベーストーンを作る一級のエンジニアさんもいらっしゃいますが、ここでは「DIとアンプの組み合わせで作る」という事をテーマにしていますので、

  • DIシグナルをどのようなキャラクターに仕上げているのか
  • DIシグナルに与えている「パンチ感」はどれくらいの「パンチ」なのか(口で言うほど、大げさなパンチではなかった

をチェックしてもらえるといいかと思います。

● アンプレコーディングの処理(2:00〜)

アンプをマイク録りしたトラック(DIレコーディング+アンプシミュレーターでも同様の処理でOKでしょう)に使用されたのは、EQ、コンプ、そしてInflatorです。

まずはEQによる処理。「クリーンなサウンド」というDIに対して、アンプ側はどう処理するのか。単体で聞いたときの「イイ音」ではなく、「ミックスの上でキャラクターを生かしている」処理になっているところに着目してみて下さい。ここで行われているEQ処理は「カットのみ」の処理というのもポイント。

次はコンプです。Oxford Dynamicsが使われていますが、もしかするとビデオ中の「滑らか」というキャラクターは、Oxford Dynamics特有のキャラクターかもしれません。しかし、ビデオで語られている「わずかに」「ボトムが増したような」という修飾を気にしながら見てみると、あらゆるプロセッサーにも通ずるテクニックが隠れているようにも感じます。

最後はOxford Inflatorです。これはSonnox特有の「魔法のプロセッサー」ですが、ここでチェックして頂きたいのは、特別なプロセッサーの効果ではなく、アンプサウンドに施された3つのプラグイン(EQ、Dynamics、Inflator)をバイパスしたサウンドとの比較。DIのサウンドは広帯域にわたって支えるベーストーンを作っているので、アンプの方は色気や濃いキャラクターに注力させているという点もチェックポイントです。

この「色気」をDIシグナルと共に「どういうバランスで」仕上げているのかも併せてチェックしてみて下さい。

本シリーズのビデオでも何度も触れられている通り、一番重要なのは「バイパスを解除して」「ミックスに戻して」聞いてみることでしょう。ソロ楽器のレコーディングと異なり、複数の楽器のアンサンブルを作る際には、それぞれの楽器のキャラクターを生かす事が最も大切となります。


4:00辺りからは、2つのトラックに施されたプラグインを全てバイパスしながらの比較を聞かせてくれます。ここは一番の耳の使いどころかもしれません。かなり「クイック」なビデオですが、処理前/処理後を意識して感覚を養いたいところです。

前ポストで仕上げられたギターと一緒にベースを聞くと、それぞれの役割、うまみの出し方に納得します。荒々しいピッキングのかっこうよさはそのままに、サウンドは他のトラックに馴染んでいるのが分かりますね。

基本的にはSonnox社のプラグインによる解説ですが、それぞれの製品が「どんな役割を担っているか」をチェックすれば、他の同類のプラグインでも使えるテクニック。とはいえ、Sonnox製品なら「より確かな」効果をお約束します。

>Sonnoxプラグイン詳細ページ


19 12月 13

1本のディストーションギターから仕上げるラウドなギター


スタッフHです。

今日は久しぶりの「MixがうまくなるTips」の更新。お題はディストーションギターをラウドに仕上げるステップ。しかも、1本のギターから作ることができるというところがポイントです。

ギターアンプをならしたものをマイクでレコーディングしてきた素材であっても、またはソフトウェアのアンプシミュレータを使用していたとしても実践できるテクニック。ムービーは約4分でまさに「クイックに」解説をしていますので、サウンドの変化なども聞きながら感覚を養ってみてくださいね。


今回のギターは、1本のギターをギターアンプにつなぎ、2本の(キャラクターの異なる)マイクで同時にレコーディングしています。この時点で2トラック。さらにこの2トラックをDAW上で複製し、それぞれをLRに広げて使用しています。図にすると(私の手書きで恐縮ですが)こんな感じ。

このステップはムービー前半でも解説されていますが、なかなか高速で解説されていたので、図にしてみました。これだけでもラウドに、ワイドな音になっているのですが、ムービー中ではさらに魅力的に仕上げるステップを紹介しています。

いかがですか?

ギターアンプをマイクでレコーディングする環境をお持ちでなくても、近年のアンプシミュレーターは複数マイキングのシミュレーションも行う事ができるものが多いので、同様の事ができるかと思います。また、その機能がなかったとしたら、4つのトラックにそれぞれアンプシミュレーターをインサートしてもOKでしょう。

まずはOxford Reverbによる処理。かなり近い位置でマイキングされたと思われる素材に、「部屋鳴り」っぽさをルームリバーブで付加しています。ここではどれくらいリバーブにセンドした時に、自分好みのサウンドに聞こえたか、をチェックしてみてください。

次はEQ処理。ラウドに仕上げるといっても、ギターへのローカットは必須です。こうする事でキックやベースの帯域を確保することができ、全体としてよりギターがラウドに鳴っているように響かせることができます。

また、EQはカットのみならずブーストポイントの解説もあります。4本のギターサウンドの「何を生かし、何を響かせているのか」をチェックしながら、一級のエンジニアがEQを「突く」ポイントを聞き比べてみてください。

基本的にはSonnox社のプラグインによる解説ですが、それぞれの製品が「どんな役割を担っているか」をチェックすれば、他の同類のプラグインでも使えるテクニック。とはいえ、Sonnox製品なら「より確かな」効果をお約束します。

>Sonnoxプラグイン詳細ページ


出演者プロフィール

解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。

19 12月 13

1本のディストーションギターから仕上げるラウドなギター


スタッフHです。

今日は久しぶりの「MixがうまくなるTips」の更新。お題はディストーションギターをラウドに仕上げるステップ。しかも、1本のギターから作ることができるというところがポイントです。

ギターアンプをならしたものをマイクでレコーディングしてきた素材であっても、またはソフトウェアのアンプシミュレータを使用していたとしても実践できるテクニック。ムービーは約4分でまさに「クイックに」解説をしていますので、サウンドの変化なども聞きながら感覚を養ってみてくださいね。


今回のギターは、1本のギターをギターアンプにつなぎ、2本の(キャラクターの異なる)マイクで同時にレコーディングしています。この時点で2トラック。さらにこの2トラックをDAW上で複製し、それぞれをLRに広げて使用しています。図にすると(私の手書きで恐縮ですが)こんな感じ。

このステップはムービー前半でも解説されていますが、なかなか高速で解説されていたので、図にしてみました。これだけでもラウドに、ワイドな音になっているのですが、ムービー中ではさらに魅力的に仕上げるステップを紹介しています。

いかがですか?

ギターアンプをマイクでレコーディングする環境をお持ちでなくても、近年のアンプシミュレーターは複数マイキングのシミュレーションも行う事ができるものが多いので、同様の事ができるかと思います。また、その機能がなかったとしたら、4つのトラックにそれぞれアンプシミュレーターをインサートしてもOKでしょう。

まずはOxford Reverbによる処理。かなり近い位置でマイキングされたと思われる素材に、「部屋鳴り」っぽさをルームリバーブで付加しています。ここではどれくらいリバーブにセンドした時に、自分好みのサウンドに聞こえたか、をチェックしてみてください。

次はEQ処理。ラウドに仕上げるといっても、ギターへのローカットは必須です。こうする事でキックやベースの帯域を確保することができ、全体としてよりギターがラウドに鳴っているように響かせることができます。

また、EQはカットのみならずブーストポイントの解説もあります。4本のギターサウンドの「何を生かし、何を響かせているのか」をチェックしながら、一級のエンジニアがEQを「突く」ポイントを聞き比べてみてください。

基本的にはSonnox社のプラグインによる解説ですが、それぞれの製品が「どんな役割を担っているか」をチェックすれば、他の同類のプラグインでも使えるテクニック。とはいえ、Sonnox製品なら「より確かな」効果をお約束します。

>Sonnoxプラグイン詳細ページ


29 10月 13

【補足記事】ミックスの最後に失われるもの


スタッフHです。

昨晩公開をした前ポスト「ミックスの最後に失われるもの」。ここ最近の中では驚くほどの反響がありました。ページ上のTwitter/Facebookボタンはもちろん、ツイートそのものやFacebook投稿への反響も、嬉しいほどたくさんありました。

ミックス・マスタリング作業中に「mp3、AACに変換された後の音をモニタリングする」。

実際に体験していただかないと伝わりづらい製品のため、どうしたらこの製品をうまく紹介できるかな、と考えた結果「失われるもの」そのものをお聞かせしたら驚いてもらえるかな、と思った次第でした。

昨日のポストは「音を聞いてもらう」がメインだったので、ここではなるべく簡単に補足情報を。


  • 本プラグイン、Sonnox Fraunhofer Pro Codecは(以下、ProCodec)、その名の通り「Fraunhofer」との共同開発製品です

フラウンホーファー。事情通な方にはこの名前だけで「なるほど」と思って頂けるかと思いますが、ざっくりいうとドイツの巨大な研究機関です。私たちに関わる活動を抜粋すれば、「mp3やAACの規格の開発元」なのです。Fraunhoferがこのようなプラグインの開発を企画し、そのパートナーがSonnox社である、という事になります。


  • ProCodecは、単なるエミュレータのようなものではありません

とてもとても不思議なプラグインなので、ともすると「そんなすごい事をリアルタイムでできるわけないでしょ。リニアEQとかを使ってそれっぽくエミュレーションしてるだけでは?」と言われる事もありますが、実際には「そんなすごい事をリアルタイムで行っている」プラグインです(昨日のポストでも書きましたが、mp3やAACファイルの『書き出し』もできますからね)。

リアルタイムで行っていますが、その分プラグインの中で溜め込む時間もある程度必要です。コーデックによっては数千サンプルになる場合もあります。あくまでも、ミックス・マスタリング時に使用していただくものとお考えください。


  • 圧縮時にクリップしてしまうぞ、という事も、あらかじめ分かります

意外に知られていないのですが、非圧縮時のファイルはクリップしていなかったとしても、mp3やAACに変換するときにクリップする事があります。これがなぜクリップするのか、というのを説明しだすと(まだまだ浅はかな私には)ここでは説明しきれないので、割愛します。とにかく、変換時にクリップする事があるのです。

同一の条件でいくつかのファイルを変換したときに、なぜか特定のファイルだけ音が曇っていたり、歪みっぽいなと感じる事があれば、これがまさにそのケース。ProCodecは、あらかじめ「おいおい、このファイルをmp3に変換すると、クリップして歪んでしまうよ」というのをアラートしてくれる機能もあります。この画像でいえば、HE-AACの場合にクリップがでそうだ、とアラートが出ていますね。もちろんここで、アウトプットを微調整することもできますよ。


  • どの辺の帯域がとくにクリップの原因になりそうか、教えてくれます

この画像の赤い帯になっている部分(画像だと、6.5kHz〜18kHzくらい?)は、「おい、この辺の帯域がクリップの原因となりそうな場所だぞ」と教えてくれている部分です。

それぞれのコーデックには特徴があり、「なにを削って圧縮をしているか」も違います。上記のクリップが起こる原因は、それぞれのコーデックによって異なるという事なんですね。クリップしそうな帯域があらかじめ分かっていれば、作業もだいぶ捗ります。


  • 圧縮前は黄色、圧縮後は赤い部分です

スクリーンショットの中で、圧縮前の音声は黄色のライン。赤いライン以下の部分が圧縮後の結果となります。音楽は決してメーターでつくるものではありませんが、これをみると何が失われるのかが分かりやすいですね。ハイエンドはそこそこ忠実なビフォーアフターですが、5kHz以下は徐々に削られている様子が見て取れます。

「圧縮された音は、平坦なんだよね」というコメントを見かけますが、この結果はまさにそういった言葉を裏付けるグラフと言えるかもしれませんね。このグラフィックは、リアルタイムで更新されます。


  • エンコードも、おまかせください

今やDAWにも、ひいてはiTunesなどのオーディオプレイヤーにもmp3/AACエンコーダーは搭載されています。ところがこのエンコーダーによってわずかな違いがあるという事は、あまり知られていません。ProCodecはmp3やAACフォーマット生みの親であるFraunhoferによるプラグイン。より正確に、より忠実に、元のファイルをmp3/AAC/iTunes Plusファイルに変換します。

この他にもたくさんの機能がありますが、本日はメインとなる部分を中心にお伝えしました。販売時のみならず、ウェブサイトへの掲載やデモ送付、など、ますます身近になるであろうオーディオファイルの圧縮。特性を理解して、より魅力的な作品の力添えになれればと思います。

>> Sonnox Fraunhofer ProCodec 製品詳細


28 10月 13

ミックスの最後に失われるもの


スタッフHです。

前回ポストのHEar。おかげさまでたくさんの反響を頂きました。オーディオに直接作用するプラグインではなく、ユーティリティー系の製品ではありますが、きっと多くの方に「便利そうだ」と思って頂けたのかな、と思っています。

本日はそんなユーティリティー系のプラグインの中でも最も強烈な「ミックス・マスタリング作業中に、あらかじめmp3やAACに変換された後の音を(リアルタイムで)チェックできる」、Sonnox Fraunhofer Pro Codecをご紹介いたします。


一昔前の「CD時代」と異なり、現在は作品のリリース形態がさまざまなフォーマットで展開されています。iTunesや着うた、レコチョク、他にも海外サービスなどを含めると、数多くのサービスがあります。

ここで話題になるのが、mp3やAACなどの圧縮。一部のサービスでは非圧縮のままで販売しているところもありますが、多くのサービスでは、何かしらのコーデックで圧縮されたものを販売しているはずです。

圧縮すれば、音が変わる。これは、当然ともいえます。圧縮による変化がどこに出てくるのかが分かっていれば、ミックス/マスタリングの際にも楽なのですが、現状では、

ミックス・マスタリングをする

mp3やAACに変換する

なんか音が違う

ミックス・マスタリングに戻る

また書き出す

……この過程を繰り返すことになります。何とも面倒です。とあるエンジニアさんに伺うと、

「圧縮作業をしたときにでてくる変化は、現在の流通を考えるとやむを得ない部分もあるのかな、と思います。なので、闇雲に”圧縮音源なんてダメだ”と否定することなく、圧縮で変わってしまう部分をあらかじめ見越したバージョンのミックスができるようにしています」

とのこと。分かりやすいところではローエンドとハイエンドの両端の「美しい」部分が失われたり、音楽そのものが平坦になってしまったりしますが、それを見越したEQの使い方、潰しすぎないコンプレッサーの使い方にも関わってきそうです。

というわけで本日は、各フォーマットで何が失われるのか。これを実際に体験していただきたいと思います。

Fraunhofer Pro Codecは圧縮後の音をリアルタイムで聞くことができるのが最大の特徴ですが、さらにもうひとつ「何が失われるか」をチェックするボタンも付いているのです。

まずはオリジナルのファイル。本ブログは基本的にmp3フォーマットのファイルを使用していますが、本日はこういった事情から、全てWAVフォーマットにしています。ファイルそのものを聞いて頂くため、プレイヤーではなく直接リンクとなってます。


・Original

http://second.minet.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/2013/10/PC_thru.wav

オリジナルのまま書き出したファイルです。これをmp3やAACに変換した時に失われるものはどういったサウンドなのか。リファレンスとして覚えておいて下さい。


・mp3 256kbps

http://second.minet.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/2013/10/PC_mp3_256.wav

圧縮音の代名詞ともいえるmp3ですが、これが「mp3に変換することで失われるもの」。これだけのものが失われているのか、という驚き。ビートの要であるスネアが大きく失われているのが分かるとともに、シンパルの奇麗な余韻。さらによく聞くと、ローエンドに含まれていたはずのふくよかさがこの「失われ側」に来てしまっています。ここが失われポイントであるなら、別の方法でふくよかさを演出してもよかったかもしれません。


・AAC LC 256kbps

http://second.minet.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/2013/10/PC_aaclc_256.wav

同じ256kbpsでも、mp3に比べて失われている要素の少なさがパッと聞いて分かるかと思います。オンラインで掲載するなら、mp3よりもこちらを選びたくなりますね。とはいえmp3と同じく主張の強いビートや、大切なボーカルの一部にも失われポイントがあるのが分かります。


・HE-AAC v2 56kbps

http://second.minet.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/2013/10/PC_heaac_56.wav

着うたやAdobe Flash Player 9などで代表的なフォーマットであるHE-AAC。これはもう「なんの曲なのか認識できる」レベルのもの。今一度確認しますが、この音声が「失われるもの」です。

圧縮したときに感じる「奥行きがなくなる」というのが、これでよくわかるかと思います。リバーブで丁寧な奥行きを作りたいとき、ライブ演奏をステレオ集音しているときなどには特にミックスに注意したいなという事も分かります。


・Apple AAC – iTunes +

http://second.minet.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/2013/10/PC_itunesplus.wav

世界最大のミュージックストア、iTunes。ここでリリースをされる方も多いでしょう。このフォーマットはiTunes Plusで販売される際に起きる変化です。Fraunhofer Pro CodecをあらかじめDAWにインサートしながら最終作業をされていれば、変化を見越した作業もできるかもしれませんね。


・HD-AAC 256kbps

http://second.minet.jp/blog/staffblog/wp-content/uploads/2013/10/PC_hdaac_256.wav

いわゆる「ロスレス」と呼ばれるフォーマットです。音が聞こえない、と思われるかもしれませんが、言い換えると「失われるものがない」という事。ファイルミスではありません。

このフォーマットは非常に特殊で、誤解を恐れずにいえば「CDよりもいい音(24bitや96kの恩恵を残せる)」もの。ここについて話をしようとすると、とても書ききれないこと、そしてなにより今の私の知識では浅はかすぎるので、やめておきます。ともあれ、失われるものがないコーデック、という事です。

いかがでしたでしょうか。各コーデックによって、失われる部分もさまざま。これがあらかじめミックス作業中に分かっていれば、もう少し違う処理を施しているのかもしれません。

SonnoxのFraunhofer Pro Codecには、圧縮後の音を直接確かめる以外にも、こんな機能があります。

  • 複数のコーデック(本日のように)を一気に書き出す機能。一回の再生で、5個のファイルをリアルタイムに書き出しできます。
  • 圧縮ファイルに変換するときに生じる「わずかなクリッピング」をあらかじめモニターし、クリップしないような音量に抑える事ができます。これは結構重要
  • 圧縮時にクリッピングの原因となりそうな場所をあらかじめ検知し、「この部分のミックスに気をつけろよ!」と教えてくれるモニター。
  • サラウンド、サラウンドファイルの書き出しにも対応(mp3HDとか、これから流行ってくれるといいですね)。

この辺は、次回補足記事を用意いたします。製品についてもっと詳しくは、製品詳細ページにてどうぞ

>> Fraunhofer Pro Codec 製品詳細ページ


15 3月 13

平凡なドラムトラックに輝きを


スタッフHです。

好評連載中の「MixがうまくなるTips」。今回は平凡なドラムサウンドにもうひと味加えるテクニックをご紹介。


ここ10年ほどで飛躍的に進化した音源といえば、まずはドラム音源でしょう。歴史をたどればリズムボックスから、サンプラーの登場でリアルな(実際にレコーディングされた)ライブラリが登場し、近年は容量的な制限も事実上なく、ぱっと聞いただけでは実際の生ドラムレコーディングなのか、MIDIでプログラミングされたドラムなのか聞き分けが付かない作品もあります。

では近年の大容量系ドラム音源を使えば、プロのエンジニアでなくとも最高の音になるか、と言われるとそうではありません。経験豊富なレコーディングエンジニアなら生ドラムをより曲に合わせたサウンドで収録するテクニックをもっていますし、同じ大容量系ドラム音源を使用しても、一級のエンジニアなら曲のイメージに合わせて「おいしい」所を引きだすテクニックを持っていたり、不要なところを抑える「」を持っていたりします。

本日は、大容量系ドラム音源の代表格でもあるEz Drummerを用いたドラムトラックに、「もうひと味」を加えるテクニックをご紹介。使用しているプラグインはSonnoxのものですが、お持ちでない方は似たようなプロセッシングをしてくれる別のものに置き換えて見ても参考になるかと思います。

最初に紹介されているのはOxford Inflator。本連載でも何度となく登場するツールで、ざっくり言うと「音を魅力的にする」プロセッサ。中身はマイルドからハードまで、多彩なクリッピングと倍音のコントロールを行っているものです。

インプットゲインをほんの少しだけ上げ、二つのスライダーを絶妙にコントロールし、ドラムサウンドがぐっと前にでてくるプレゼンスを加えています。

Inflatorによるプロセッシングについては、過去記事のInflator関連記事もチェックしてみてくださいね。


  • 50秒〜

次はTransModによるアタックコントロール。

今回のビデオはドラム以外のサウンドが入っていませんが、仮にこのドラムに合うような低重心のベースや、ハードなギターを被せたとすると、このドラムには少々パンチ感が足りないように感じます。

パンチ感が欲しくてコンプやリミッターをキツめに掛けていくと、ニュアンスが失われ、大事なアタックを潰しまくり、結果的に「返ってヌケが悪くなった」という結果にもなるでしょう。

TransModのキモは、真ん中にある「Ratio」スライダーです。下方向に下げれば音の芯が抜けていくような効果が得られ、上方向に上げればグッとパンチ感が出てきます。ビデオでもこの両方の処理を紹介していますのでチェックしてみて下さい。

TransModに関しては、過去記事のTrans Mod関連記事もチェックしてみてくださいね。


  • 1分45秒〜

最後はリバーブテクニック。これはどんなリバーブを使っても参考になりそうです。

近年の大容量ドラム音源では、ルームマイクのサウンドも調節できるものがほとんどです。空気感や立体感が欲しい時には音源の方でルームサウンドを増やすこともできますが、ここでは敢えてリバーブでそのトーンを得るというテクニック。

最初はルームリバーブの解説。プリセットをベースにして、どのような意図で調節が行われているかに注目です。Oxford Reverbには「リバーブサウンドだけ」に掛かるEQが搭載されているのもポイントですが、このEQをどのように使っているか。どう響きが変わっているか。

さらにプレートリバーブで「広がり」を作っています。ここはヘッドホンなども用いて、どれくらいのリバーブタイムに仕上げているかもチェックしてみて下さい。リバーブを掛けているのに「タイトに」という境界線を見極めましょう。


出演者プロフィール

解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。

21 1月 13

覚えておきたい複数プラグインの合わせ技


スタッフHです。

少々間が空いてしまいましたが、本日もまた人気の「ミックスが上手くなるTips」記事を一つ。本日の内容は決して突飛なものではありませんが、ミックステクニックを基本から学び直したい、という方にはぜひともご覧いただきたい内容です。テーマは「サウンドを際立たせるために、プラグインをどう組み合わせるか」

お題となる曲は、カントリー調のトラック。対象はアコースティックギターにフォーカスしています。が、解説の中にでてくる一言一言はきっとダンスミュージックでも、ロックでも、あるいはジャズやポップスでも参考になります。「ミックスがうまい人はそうやって考えるんだな」と思いながら感覚を養いましょう。

ビデオはこちら。駆け足ではありますが、4分半ほどのムービー。


いかがでしょうか?一つのギタートラックに施されたEQ、コンプ、リバーブ、リミッターなど一連の処理が解説されています。ムービー前半では、キーとなるプラグイン全部をオン/オフして比較しています。処理前/処理後の違いを聞いてみましょう。

  • 45秒〜

最初に施されているは、意外にもリバーブ。ドライ気味(部屋鳴りのない)にレコーディングされたギターに、美しい響きのアンビエンスを加えるためと解説されています。

Oxford Reverbは「リバーブサウンドだけに掛かるEQ」を搭載している事も特徴ですが、ここでは実際にリバーブサウンドにEQしながら、壁や床などに反響した音を作り上げています。ここは、EQの動きをチェックです。

リバーブはこれだけではありません。もう一つのOxford Reverbを使用して、こちらではプレートリバーブを用いて奥行きを作っています。2つのリバーブを組み合わせるのは決して珍しくないテクニックですが、闇雲にこのテクニックを用いてしまうと、音がボヤけてしまう結果を招きます。

どれくらいの割合がいいのか、ビデオでチェックしてみてください。


  • 2分20秒〜

お次はEQです。とてもベーシックな処理ですが、それぞれの帯域のブースト/カットがどんな目的で掛けられているか。最初のチェックポイントはここです。

Oxford EQには4タイプ(DSP版には5タイプ)のEQが用意されている事もポイント。Oxford EQが「よいEQだ」と言われる理由はここに詳しい解説があります。


  • 3分〜

次はコンプレッサー。使用しているプラグインはOxford Dynamicsです。このギタートラックは(おそらく上手い方が演奏されたものと思うので)ピッキングも安定しています。プレーン弦(1〜3弦)中心の演奏なので、アンサンブルの中で少しの「音量感」が欲しいところ。

ものすごくアッサリと解説が終わりますが、黄色いリダクションメーターをよく見て「潰れ方」を確認してください。ここではだいたい3〜4dbのコンプレッションが掛かっており、その分メイクアップゲインで音量を稼いでいます。


  • 3分20秒〜

チャンネルにインサートされたプラグインのうち、最後はビデオで「僕の魔法のツール」と言っているOxford Inflator。どうして「魔法」なのかは、本ブログの過去ポストでチェックしてみてくださいね。過去ログではドラムやベースにも使用した例を掲載しています。


ミックスに「正解」はありません。このポストをご覧になって「いやー、違うでしょ、自分ならこうする」と思われる方は、おそらくご自身のカラーを持たれている方でしょう。あまり参考にならなかったと感じられましたら、すみません。

反対に「参考になった!」と感じられる方は、まだまだミックス力に伸びしろがあるかもしれません!本ビデオで解説を務めるRichさんもまた一級のエンジニア。素早く駆け足の作業は、数多くの経験に基づいたものです。何気なくフェーダーやツマミを「ちょんちょん」と触る一挙一動にも目と耳を向けて、様々なテクニックを盗んでくださいね!

→ Sonnox Oxford 製品一覧リンク


Search

ブログ内を検索
2018年12月
« 2月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31