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20 8月 14

ミックスで「出すところと絞るところ」


スタッフHです。

久しぶりの「MixがうまくなるTips」記事の更新です。

本日はストリングスカルテット(四重奏)の素材をネタに、ミックスの中で「出すところと絞るところ」を処理するステップを解説。素材こそストリングスですが、本日のネタの「考え方」は、シンセやギターを重ねるときにも同様のテクニックとして活用できるのではないかと思います。


ストリングスの四重奏。私は数えるほどしか生演奏やレコーディングの現場を聴いたことがありませんが、響きのよいホールで、ある程度の距離を取って聞くことと、マイクを通して聞くものは違いがあります(この違いの補正こそがミックスの1つの楽しさともいえます)。ミックス作業に入る前に、それぞれの楽器が「どう響いてほしい」かをまずイメージすることが大切なのかもしれません。

本日使用しているプラグインは、SonnoxのSuprEsser。Sonnoxならではの非常に特殊なプロセッサーではありますが、今回行っているビデオ内容をご覧いただくと、特殊な処理に使っているという訳ではなく「出すところと絞るところ」の耳の使い方に終止している事がお分かり頂けるかと思います(プラグインが特殊だからできる処理、ではないという意味で)。

もちろん、Sonnoxのプラグインならば「より確実に、より効率よく」ミックス作業が楽しめることもお約束いたします!

いかがでしたか?

前半はこのセッションがどういうものかの解説。のちの処理との比較のため、ぜひこの部分もチェックしてみて下さい。

  • 40秒〜

ミックスにおける最も大事な部分。それは「どういう音に仕上げたいのか」をイメージすることです。私のように優柔不断かつ目的なくミックスをしてしまうと「なんか良さげな音になるプラグインないかなー」などと言いながらやるのではなく(これはこれで楽しいのですけど)、「こうしたい」という目的をしっかり持つ事が、ミックス上達への第一歩です。

ここでは、どういう着地ポイントにするかが語られています。

  • 48秒〜

ここからが実際の処理です。SuprEsserはもともと「指定した帯域の中で、指定したピークの瞬間だけを取り去る」ツールですが、ご覧の通りまったく反対の処理も可能。楽器もエフェクターもプラグインもそうですが、ルールを破った使い方にも面白さがある、という好例かもしれませんね。

  • 1:05秒〜

かつて私がレコーディングやエフェクターに興味を持ち始めた頃、原音とエフェクト音をミックスする、という行程はリバーブとか、ディレイの空間系、モジュレーション系のエフェクトに対して使うテクニックでした。しかし近年では、ダイナミクス系のプロセッサーでも原音とエフェクト音をミックスするというテクニックが効果的に使用されています。ここでは、この感覚を養いましょう。

  • 2:00秒〜

ここまではビオラの処理がメイン。ここからはバイオリンの「キツい高域」を絞る処理です。みなさまがミックスしたい対象がシンセやギターなどであっても、考え方は一緒かと思います。ここの処理によって、演奏の「温度」を取り戻すような効果に繋がっています。一級のエンジニアがどういった差(処理前・処理後)をもって「温度」と表現するのかを併せてチェックしましょう。

  • 3:00秒〜

ここで最後の処理、Oxford Inflatorを使用した、ごく僅かなプレゼンスの処理です。ここの差は最も一級のエンジニアらしい「耳の使い方」をチェックして頂きたいところ。ただ単にボリュームをあげただけではない処理に注目(耳)です。

SonnoxのOxford Inflatorは、その発売された時期もあったためか「音圧が上がったような処理をするもの」と思われがちですが、このようなクラシカルなソースでもその効果を発揮します。生演奏とレコーディングされたものに違いを感じることが多い方であれば、特に有効でしょう。これに関しては、本ブログの過去記事にジャズレコーディングを行うエンジニアのコメントがありますので、ご参照ください。


本日の記事は、特殊なツールを使うという事がテーマではありません。同様の作業は別のツールを使っても可能かと思います。まずチェックして頂きたいのは、一見エンジニアが「こんな感じかな」とクイックに作業を行っている裏にある「耳を使った作業」の部分。

SuprEsserは、こういった耳を使った作業をより快適にこなしてくれるツール。私のようにまだまだ耳の鍛えが甘い人間にも使えますが、耳を鍛えた方ならさらに強力なツールになるでしょう。

Sonnox SuprEsser 製品詳細ページ>>


21 5月 14

補正系のプラグインを「クリエイティブに」使う


スタッフHです。

久々の更新となる「MixがうまくなるTips」、本日は「意外な方法でプラグインを使う」流れを解説。使用するプラグインはSonnoxのSuprEsser。ビデオでも冒頭で語られている通り、高機能なディエッサーでもあり、高域のみならず全ての帯域で使用できるアクティブEQでもあり、とにかく万能なツールです。

SuprEsserを持っていれば非常に楽に、かつ正確にこのTipsを使いこなす事ができますが、まだお持ちでない方は

  • どれくらいのコンプレッションをドラム全体に掛けていいのか(心地いいのか)
  • パラレル・コンプレッションによって得られる豊かなドラムサウンド
  • ドラムミックスのバランス

辺りを参考にしてもらえればと思います。

いかがでしたか?ビデオ序盤ではちょっと線が細めに感じたドラムサウンドが、終盤にかけて図太く、各段に格好いいサウンドに仕上がった事が確認できます。ではそれぞれの見所を。

今回のビデオは、大きく分けて前半・後半の2部構成。

  • 0:00〜

前半は、ドラム全体にSuprEsserを使ってコンプレッションをする手順を解説しています。リアルタイムに表示されるアナライザーを見ながら、自分でピークを確認し、狙った帯域だけに向けてスレッショルドを下げる。一見機械的にコンプを掛けているだけのムービーに見えますが、インプットボリュームをちょいちょいといじったり、Dry/Wet機能を触ったときのサウンドの変化にも耳を傾けてみて下さい。

  • 1:25〜

コンプを掛けるということは、「音を潰す」ということ。ここではInflatorを使って潰されたサウンドをゲインアップして取り戻す、という作業に触れています。ここはぜひサウンドの変化とともにチェックしてほしいところ。コンプレッションによって鈍くなったハイエンドも、Inflatorによって取り戻している事をチェックして下さい。

相互のプラグインによって起きる変化を聞きながら、SuprEsserのパラメータを調整しているとこともポイントです。ここまでの処理によって「ドラムにいい感じの熱さ」が得られた、とビデオでは解説しています。


  • 2:06〜

ここからが後半です。前半では全てのドラムトラックを1つのバスにまとめ、そこにプラグイン処理を行っていましたが、ここからルームマイクだけを独立させ、個別に処理をしています。

使用しているプラグインは、前半同様にSuprEsserとInflator。ルームマイクのトラックをAUXにセンドして(トラックコピーでもOK)、何も処理していないルームマイクと、プラグインで処理したルームマイクを「混ぜる」手法。ビデオでは「パラレル・コンプレッション」と解説しています。

キツめに掛けたコンプサウンドを、元のトラックに混ぜる。元のニュアンスを残したまま、コンプサウンドをブレンドする。ビデオではブレンドあり、なしを随時比較しています。サウンドがどのように変化するかをチェックしてみて下さい。


ビデオ最後にも触れられていますが、今回のミックスではリバーブを使用していません。にも関わらず、ルームマイクへの効果的なコンプレッションによって、ルームリバーブでも掛けたかのような奥行き、立体感を作り出すことに成功しています。

もともとSuprEsserは、特定の帯域の「出っ張ったピークのみを削る」ツールとして登場しました。しかしこうして視点を変えれば、元のサウンドになるべく変化を起こさせないコンプとしても使える事がわかります。

補正系プラグインをクリエイティブに使う、他のプラグインでも試したくなるテクニックですね。


25 2月 14

リバーブで作るドラムの「抜け」


スタッフHです。

好評連載中の「ミックスがうまくなるTIps」。Sonnoxプラグインを使った内容ではありますが、他の似たような処理ができるプラグインを使っても参考になる(Sonnoxなら「より確かな」効果をお約束します!)記事です。

前回、前々回と同一のセッションを使って、ギター編(ギターの壁を作る)ベース編(DIシグナルとアンプシグナルで作り上げる)をご紹介して参りましたが、今回は最後のパーツ「ドラム編」です。

轟音で鳴っているギターやベースのセッションにおいて、ドラムのサウンドメイクは結構難しいものです。アタックを強調しようとして「ぺちぺち」な迫力のないサウンドになってしまったり、ドラムの鳴りを派手に響かせようとしてギターやベースとぶつかってしまったり。どういうサウンドに仕上げたいかにもよりますが、この三者のバランスによって、迫力の出方はまったく変わってきます。全てのトラックを「派手に!」なんて処理をしようとすると、きっとうまく行きません。ギター編、ベース編をまだご覧になっていない方は、まずこの2つから参考にしてみて下さいね。

さて、本日はドラムです。

今回のドラムトラックは、実際のアコースティックドラムをレコーディングしてきた素材をもとにしています。もちろん、BFD3などの大容量ドラム音源などでも同じ考え方で参考になるはずです。キック、スネア、ハイハット、タム、そしてオーバーヘッドにルームマイクの素材を使用しています。

最初のステップ(0:00〜)

このドラムトラックは、すべて1つのAUXバスにまとめられています。ここに、SonnoxのInflatorをインサート。もともと音を派手に仕上げるプラグインですが、ここでは「ごくわずか」な効果を狙って使用されています。「ごくわずか」がどれくらいの量感であるか、感覚を養いましょう。

キックトラック(0:54〜)

キックに使用されているのは、Oxford SuprEsser。指定した帯域の「邪魔なピーク」だけを取り去るプラグインですが、なんと低域の「補強」に使えるという裏技を公開。プラグインの使い方にルールはない、という好例かもしれません。SuprEsserはSonnox独自の魔法のツールなので、似たような処理ができる別のものは少ないかもしれませんが、お持ちの方はぜひこのテクニックを試してみて下さい。

また、このようなセッションでキックをどのようなサウンドに仕上げるとよいのか、参考になるかと思います。ここでは、プラグインの効果よりも「サウンドそのものの変化」を聞いてみてください。

スネアトラック(1:30〜)

スネアにリバーブを掛ける、というのは多かれ少なかれ、どのようなセッションでも行われていることかもしれません。しかし、ここで注目していただきたいのは、奥行きを得るためのリバーブではなく、「スネアの抜け」を作るためにリバーブにセンドされているということ。リバーブを掛けたら音が広がって、抜けとはほど遠いような気もするのですが…… これが不思議と「抜け」に繋がる処理に繋がっています。ビデオでビフォー・アフターをチェックしてみてください。

オーバーヘッド(2:02〜)

オーバーヘッドはドラムキットのすぐ上に立てられたマイクのサウンドですが、このトラックにもまずリバーブ(ルームリバーブ)が使われています。ドラムキットから距離のあるマイクなのに、さらにルーム感を付加する。ともするとボヤボヤの音になってしまいがちですが、どれくらいのリバーブが効果的なのか。これもまた、感覚を養いましょう。

だいじなこと(2:50〜)

ビデオ中「ドラムだけ聞くと、リバーブが大きすぎると感じるかもしれない」という辺りからは、ミックスの心得のようなものを解説してくれます。ここもぜひチェック。

ルームマイク(3:05〜)

ビデオでは「最も大切なルームマイクの仕上げ」と前置きをして解説がスタートします。最初にInflatorの解説が少しだけありますが、もっとも大事なのはその後。ルームマイクをどれくらいミックスに混ぜるのか。たった1本のルームマイクが、どのようにミックスに役立っているのかをチェックしてみてください。この後、ルームマイクへのEQについても解説されています。

ギター編、ベース編と続いてきた本Tips。迫力のあるギターサウンドに、ドラムやベースをどう仕上げるべきなのかを解説して参りました。もちろんこれはほんの一例ですが、このテクニックをもとに自分ならではのサウンドメイクにチャレンジしてみてくださいね。

>Sonnoxプラグイン詳細ページ


16 4月 12

ベースのミックス…自信ありますか?


スタッフHです。

好評連載中の「MixがうまくなるTips」。本日は第15回、ずばり「ベースの馴染ませかた」。ムービーではレコーディングされたエレクトリックベースについて解説をしていますが、さまざまな”ベース”に応用できそうな内容です。音源で作ったベースでも、シンセベースでも。


レコーディングが終わり、いよいよミックスへと取りかかったとき。楽曲の屋台骨となるキックとベースの絡みに注目する方は多いと思います。ひいては、ドラムとベースの絡みと言ってもいいでしょう。場合によってここにリズムギターが絡んでくる事もあります。

ドラム単体で聞いたときのミックスはいい感じ、ベース単体で聞いたときのサウンドもいい感じ。リズムギターのサウンドはお気に入りのアンプを使って心地よいトーンに仕上がっている。それぞれはいい音なのに、いまいち「まとまり感」がない。


…とまぁ、ここをスタートとしてミックスの作業を始められますよね。リズムの骨格となるドラムと、曲の方向性をきめるリズムギター。この間にいる接着剤のような存在が、ベースです。本日のムービーはここに着目してチェックしてみてください。

わずか4分ほどのステップで(駆け足ながら)、ベースを素早くミックス中に馴染ませることができました。ポイントをざっとかいつまんでみます。

最初のステップでは、ベースレコーディングでよくあるインプットクリッピングの解消方法と、滑らかなコンプについて解説しています。極端なリミッティングはベースの大切な低域をロスする事になりますが、とはいえ必要なステップ。どのくらいのリミッティングが最適であるかは、ムービー中の赤いリダクションメーター(Oxford Dynamicsの上段中央、一番右)を参照してください。


コンプにも一つ参考になるTipsが。曲調(またはベースライン)の荒々しさに反して、ここではソフトな仕上がりになるようなコンプ設定(ニーの滑らかさ)が使用されています。曲調が激しいものになると、無意識のうちにプラグインの設定も「荒く、固く、バキバキに」なんてしてしまいがち。せっかくベーシストが「荒さ」を演奏のニュアンスに込めたのですから、ここではそれをロスしないようなセッティングにしているところに注目です。


つぎのステップでは、ピック弾きのベースに必ずつきまとう、ピッキングノイズの対策について触れています。ビデオはエレクトリックベースにおけるTipsとして解説していますが、これはシンセベースなどでアタックの強いサウンドを使った時などにも有効なテクニック

ピッキング時の「パキン」としたニュアンスは、演奏時にはものすごく気持ちいいんです。私もベースを弾きますので、この音が「ハマった」ときの格好よさはたまりません。とはいえミックスに主眼をおくと、どうも他の楽器から「浮いている」ように感じるのも確か。ニュアンスを残しつつ馴染ませることができればいいのですが…。

本ムービーのほとんどの時間をこの解説にあてています。どのように対処しているか、チェックしてみてくださいね。


つぎのステップでは、「ほんのわずかのゲインアップとプレゼンス」を得るための処理。

ベースのサウンドについて語るときにでてくる単語として「ぐっと前にでてくる」なんて言葉を使うことがあります。「馴染む」作業をしているのに「前に」なんて。一見矛盾をしているようにも思えます。しかしここでチェックしていただきたいのは、

  • 周りのサウンドから「浮いていることと、
  • 馴染んでいつつも「前にででくる」こと

の違い。ムービーの最初に戻って比較しながらご覧ください。


ベースはどんな楽曲においても重要な役割を果たします。

ポール・マッカートニーのようにメロディーラインを引き立たせるカウンターメロディーのような役割を果たす事もあれば、キックと完全にシンクしてグルーヴィーなラインを演出することもあります。ロックンロールのように曲全体をグイグイ前に引っ張っていくようなこともあれば、速いテンポにあわせ8ビートをひらすら刻み続け、躍動感を担う時だってあります。ジャズにおいてトーナリティのマスターがピアノでも、ジャコ・パストリアスのように「裏のトーナリティ・ボス」になることもできれば、TB-303がなければ産まれなかった音楽は数えきれないほどありますよね。そんなとき、必ずベースは他の音に「馴染んでいる」はずです。

ドラムやギター、そしてベース。それぞれレコーディング時には最高!な音でも、ミックスになるとパズルのようにお互いをはめ込むような作業が必要になります。本日のTipsをきっかけに、みなさまそれぞれの「オリジナル・馴染ませ」方法を開拓してみてくださいね。

→ Sonnox Oxford 製品詳細リンク


09 4月 12

シンプルなミックスから学べること


スタッフHです。

好評連載中の「Mixがうまくなる」Sonnox QuickTips。先日の「まとめリンク」記事もたくさんの方にご覧頂いているようで、わたしたちも嬉しい限りです。一連のシリーズで紹介しているテクニックは、仮にSonnoxの製品をお持ちでなくとも為になるテクニックばかり(もちろん、Sonnox製品なら”より確かな”効果をお約束します)。さまざまなテクニックを吸収して、日本から産まれる多くの作品がより素晴らしいものになればいいなぁと願っております。

さて、本日もまた新しいTipsをひとつ。

ここまでのQuickTipsでは、おもに一つの処理(=1つのプラグイン)を中心に紹介してきましたが、本日はより実践的なミックスの手順を紹介しています。お題は「シンプルなアコギ1本弾き語りのミックスについて」

「えーっ、僕はバンドミックスが中心だから、そんなシンプルなミックステクニックは必要ないかもな」とは思わず、ぜひご覧になってみてください。シンプルなミックスからも学べるTipsがたくさんあります。きっと様々なミックスへ流用できるテクニックだと思いますよ!

続きを読む »


02 12月 11

ローエンドを制するものはミックスを制す


スタッフHです。

好評連載中のムービー付き「MixがうまくなるTips」のSonnox QuickTips。本日は第9回「SuprEsserを使ってローエンドを支配する」です。

前回の「マスタリングリミッター編」はおかげさまで大好評でしたが、今回もまたマスター処理には避けては通れないローエンド編。感覚を養いましょう。

ローエンド。低域。ここには音楽にとって大切なベースやキックなどを中心に、ギターの「太さ」の部分だったり、ボーカルの「ふくよかさ」だったり、シンセの「濃密さ」があると言われています。あまりに多すぎるとこもった音色になってしまいますし、逆にカットしすぎるとなんら魅力のない音になってしまいます。一言でいえばミックス中の「難所」です。

とあるエンジニアさんから聞いたお話

『いくらベースだからといって、無闇にローを強調する事はありません。逆に、30Hz以下はカットする事もあります。「クラブで鳴らす」などの明確な目的がない限り、超低域は他の帯域をマスキングしてしまう事もあるからです。ベース以外にも、ギターやボーカル、シンセだって時にローカットが必要になることがあります。パートまたはマスターでも、カットするポイントが “30Hzから” でいいのか、場合によって “50Hzから” でいいのかは鍛えるしかありません。もちろん、無闇なカットは大事なものを失う結果になりますので、これはもう日々勉強です』

本連載の過去ログ、「アコースティックギターやベースにはミックスの上で『不要なところ』があるかもしれない」でも同様にローエンドのカットポイントに付いて取り上げていますので、そちらもご覧ください。

なんでもかんでも無闇にカットしてしまうと、先に書いた通りサウンド中の「太さ、ふくよかさ、濃密さ」が失われてしまいます。できることなら、不要なほどにローエンドが暴れてしまったときに「だけ」カットが働くダイナミックEQのようなプロセッサーがあればいいのですが…

…という分かりやすい前フリをしておきつつ、本日のムービーはOxford SuprEsserを使ったローエンド処理方法です。本日も短めの3分半ほどなので、まずはムービーをご覧ください。効果が分かるよう、ヘッドホンやモニタースピーカーでの視聴をオススメします。

いかがでしたか?

いわゆるディエッサーであれば、動作としてはコンプレッサーと同じです。しかしSuprEsserは、ムービー中でも語られている通り「強弱に反応するEQ」であることがお分かりいただけたと思います。

ドラムやベーストラックにインサートされたSuprEsserでは、キックが鳴った瞬間だけ、ベースが過剰なローエンドを発したときだけに反応して押さえ込む事に成功していますね。単なるEQで削ってしまっては全体的なローが失われ、コンプで抑えようとしようものなら、ニュアンスすらかき消すほどにコンプレッションされてしまうところです。大事なのは「必要なときだけ、適切な量で抑える」ということ。

次は心地よい歪みのギター。4本重ねられたギターを1本のバスでまとめ、このバスにSuprEsserが使われています。白玉のパワーコード、手のひらミュートで「ズンズン」と鳴らすギターが気持ちいいのですが、ミックスする立場にたつとこの「ズンズン」の処理に毎回頭を悩ませるところ。これがまた単なるEQでカットしてしまうと、ほんとに寂しい音になっちゃうんですね。ムービーではどのように処理されているか、どのタイミングで抑えられているかも併せてみてみてください。

マスターチャンネルにもSuprEsserは有効です。EQなら削りっぱなし、コンプなら潰しっぱなしの処理になってしまうところを、SuprEsserがどのように処理を行っているか、ムービーで確認してみてください。

→ Oxford SuprEsser製品詳細ページ


出演者プロフィール

解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。

21 9月 11

EQは音が変わってしまう、コンプは全てが潰れてしまう、そんなときは…?


スタッフHです。

連載でお伝えしているSonnox QuickTips。前回ポストからちょっと時間が開いてしまいましたが、本日はOxford SuprEsserを使用したミックステクニックです。このSuprEsser、非常に新しいタイプのプラグインでして、中身をご存じない場合には「なんでそんな事ができるの?」と魔法のようにすら感じられるかもしれません。

ミックスをしているときをイメージしてみてください。

例えばスネアを処理しているとき。スナッピーの効いた小気味の良い音がレコーディングできたんだけど、ミックスの時に聞き返してみたら、ちょっとハイミッド辺りの音が耳に痛い。EQで痛い部分を削ろうとする→スネアの音がまるで変わってしまう。コンプで潰して丸みを出そうとする→全体が潰れてベタっとした音になっちゃった。

例えばボーカルを処理しているとき。自慢のマイク、マイクプリで最高の音でレコーディングできた。…のはずだったのに、ある歌詞を歌うときだけなぜかコモって聞こえる?その部分だけリージョンを切って、別トラックで処理してみようとする→前後と質感が合わない。やっぱりEQで処理しよう→ボーカル全体が軽くなっちゃった。

例えばベースを処理しているとき。全体のサウンドは問題ないはずなのに、4弦5フレットのAの音の時だけボボボーンと音が飛び出して、しかも膜が貼ったような気持ち悪さ。ベース本体のデットポイントなのか、弾き方に問題があるのか…コンプで潰して引き締めようとしたら、サウンド全部が潰れてしまい、余計にサウンドが訛ってしまって悪循環…。

もちろん、こまかくリージョンを切り分けたり、サンプル単位でオートメーションを描いてボリュームを変えたりすることである程度は良くなるかもしれませんが、これが一発で解決するなら、その作業時間でアレンジを練ったり、次の作曲を始めたりできますね…。

何はともあれ。ムービーをご覧いただきましょう。本日は約4分のビデオです。

いかがですか?SuprEsserが「かかって欲しい帯域だけ」「かかって欲しい瞬間だけ」動作している事がお分かりいただけたかと思います。

もちろん、SuprEsserがなくたって、お持ちのEQを使って時間と根気と…あとは器用にオートメーションカーブをかけられる腕前があれば、同じ事ができるかもしれません。でも、その時間があるならもっと他の作業に費やしたいですよね。

SuprEsserの動作範囲内で、常に赤い棒が立っていますが、これがサウンドを常に監視している「監視モニター」。入力されるサウンドに応じて常に動き回っているのがわかりますね。

コンプレッサーは便利ですが、入力されるレベルに応じて常に動作してしまいます。コンプレッションしてほしい瞬間にかかるとは限りません。

気になる所だけをEQする、というのもアリですが、前後と質感が変わってしまう可能性もあります。

その点、上でも書きましたが、SuprEsserなら「かかって欲しい帯域だけ」「かかって欲しい瞬間だけ」なんですね。

SuprEsserは名前から推測するような「単なるディエッサー(のお化け)」ではありません。かけたい楽器がなんであれ、かけたい帯域が耳に痛いハイだけじゃなく、ミドル、またはローエンドだったとしても。時にはトータルミックスにさえかけることができます。そして、悪いところがなければ基本的に音は一切変えないのです。入力されるサウンドに応じてコンプレッションが大きくなったり、軽くなったりするんですね。

→ Oxford SuprEsser 製品詳細


15 7月 11

Fab DupontによるMixがうまくなるTips、全5回のまとめ


スタッフHです。

5回に渡り連載してきたSonnox Oxfordプラグインの「MixがうまくなるTips」。たくさんの方にご覧いただいているようで、ありがたい限りでございます。Sonnoxで公開されている本連載はひとまずここまで。更新があればまたここで公開いたしますね。

いまいちど、全5回のリンクを貼っておきます。

  1. 全てのイコライザーがイコールではない
  2. ベースドラム、低域に宿る命
  3. EQとチャンネルフェーダーは悪だくみをしている?
  4. レコーディングの世界における差別化の証拠?すべての周波数は平等に創られているか
  5. 衝動を”SuprESS”して、より生産的な日々を過ごそう

どのストーリーもミックスにおける大切な事を教えてくれるTipsで、Sonnox製品をお持ちでなくても参考になるものばかりでした。しかし、Sonnox Oxford製品を使えば、よりクオリティ高く、確かな効果が得られます。

本日は、Sonnoxの代表的なプラグインの解説と、使用して下さっている方からのコメントを掲載いたします。

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14 7月 11

Sonnox Oxford Fab Tips No.5 – 衝動を”SuprEss” して、より生産的な日々を過ごそう


Fab Dupont氏による、より的確なコンプレッションについてのTips。レコーディング/ミックスを行っていると、特定の楽器において「ある瞬間だけ発生するピーク」について頭を悩ませる事があります。

通常私たちはこのピークを抑えるためにコンプレッサーやリミッターを用いますが、果たして今私たちが使っている方法は正しい、あるいは効果的なのでしょうか。

同様の悩みにぶつかったFab Dupont氏が導き出した回答は…Sonnox OxfordのOxford SuprEsserを的確に用いることでした。みなさんのミックスにより躍動感やレンジ感を創りだすためのTipsです。SuprEsserは(名前から推測できそうな)単なるディエッサーではありません。

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