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30 12月 13

DIとアンプで作るベースサウンド


スタッフHです。

2013年も間もなく終わろうとしています。今年も一年、多くの方にご覧いただき、ありがとうございました。できる限りの更新を心がけたつもりですが(また、ネタとなるTips記事も私の机にたまる一方なのですが)、振り返ってみれば思ったよりも更新できていなかったなと反省も残ります。

2014年にはもう少し、さまざまな記事をご紹介したいと大掃除の終わった自室より更新を行っております。

という事で今年最後のMixがうまくなるTips。本日はレコーディング黎明期からの手法、DIとマイク録りのアンプから作る、ベースサウンドの作り方Tips記事です。


本記事で使用しているベースサウンドの作り方は、前回ポストの「1本のディストーションギターから作るラウドなギター」記事の続編となっています。ラウドなギターの壁に、どうベースサウンドを作り上げていくのか。とかく団子になりがちなシーンですが、この仕上げ方ステップは多くの場面で使えるのではないかと思います。

ビデオはいつも以上に「クイック」に進行します。『こういうパラメーターにしたらOKだよ』なんて説明はありませんが、一級のエンジニアの一挙一動に目と耳を向けると、きっと多くの事が発見できるのではないかと思います。

低域への処理が多いので、可能であればモニタースピーカーのある環境や、ヘッドフォンでチェックしてみてくださいね。

いかがでしょう。

現代のベースのレコーディングでは、DIとアンプの2つのシグナルを使ってサウンドを作り上げるのは定石ともいえます。DIはベースの芯の部分。アンプは色気や味わい、キャラクターの部分と言い換えてもいいかもしれません。そして、もっとも肝心なのはこの2つのシグナルの「バランス」です。

● DIレコーディングの処理

ビデオでも解説されている通り、DIトラックの処理に使われているのはOxford SuprEsserとOxford Inflator。Oxford SuprEsserはとても個性溢れる製品で、自分で決めた帯域の中だけに作用するダイナミックEQ(その帯域の中で、音量的に過剰なものが入ってきた時だけに作用するEQ)です。

「なんだ、特殊なプラグインを使って処理しているんだったらTipsでもなんでもないじゃないか」と私も一瞬思いましたが、このDI編では「DIシグナルをどういう傾向のサウンドに仕上げるのか」を参考にしました。中にはDIシグナルだけで素晴らしいベーストーンを作る一級のエンジニアさんもいらっしゃいますが、ここでは「DIとアンプの組み合わせで作る」という事をテーマにしていますので、

  • DIシグナルをどのようなキャラクターに仕上げているのか
  • DIシグナルに与えている「パンチ感」はどれくらいの「パンチ」なのか(口で言うほど、大げさなパンチではなかった

をチェックしてもらえるといいかと思います。

● アンプレコーディングの処理(2:00〜)

アンプをマイク録りしたトラック(DIレコーディング+アンプシミュレーターでも同様の処理でOKでしょう)に使用されたのは、EQ、コンプ、そしてInflatorです。

まずはEQによる処理。「クリーンなサウンド」というDIに対して、アンプ側はどう処理するのか。単体で聞いたときの「イイ音」ではなく、「ミックスの上でキャラクターを生かしている」処理になっているところに着目してみて下さい。ここで行われているEQ処理は「カットのみ」の処理というのもポイント。

次はコンプです。Oxford Dynamicsが使われていますが、もしかするとビデオ中の「滑らか」というキャラクターは、Oxford Dynamics特有のキャラクターかもしれません。しかし、ビデオで語られている「わずかに」「ボトムが増したような」という修飾を気にしながら見てみると、あらゆるプロセッサーにも通ずるテクニックが隠れているようにも感じます。

最後はOxford Inflatorです。これはSonnox特有の「魔法のプロセッサー」ですが、ここでチェックして頂きたいのは、特別なプロセッサーの効果ではなく、アンプサウンドに施された3つのプラグイン(EQ、Dynamics、Inflator)をバイパスしたサウンドとの比較。DIのサウンドは広帯域にわたって支えるベーストーンを作っているので、アンプの方は色気や濃いキャラクターに注力させているという点もチェックポイントです。

この「色気」をDIシグナルと共に「どういうバランスで」仕上げているのかも併せてチェックしてみて下さい。

本シリーズのビデオでも何度も触れられている通り、一番重要なのは「バイパスを解除して」「ミックスに戻して」聞いてみることでしょう。ソロ楽器のレコーディングと異なり、複数の楽器のアンサンブルを作る際には、それぞれの楽器のキャラクターを生かす事が最も大切となります。


4:00辺りからは、2つのトラックに施されたプラグインを全てバイパスしながらの比較を聞かせてくれます。ここは一番の耳の使いどころかもしれません。かなり「クイック」なビデオですが、処理前/処理後を意識して感覚を養いたいところです。

前ポストで仕上げられたギターと一緒にベースを聞くと、それぞれの役割、うまみの出し方に納得します。荒々しいピッキングのかっこうよさはそのままに、サウンドは他のトラックに馴染んでいるのが分かりますね。

基本的にはSonnox社のプラグインによる解説ですが、それぞれの製品が「どんな役割を担っているか」をチェックすれば、他の同類のプラグインでも使えるテクニック。とはいえ、Sonnox製品なら「より確かな」効果をお約束します。

>Sonnoxプラグイン詳細ページ


18 9月 13

ボーカルに「ほんの少し」のガッツを


スタッフHです。

好評連載中の「Mixが上手くなるTips」。本日もまたミックス作業で繊細にならなくてはならないボーカルのミックスTipsをひとつご紹介。

本日のムービーは世界中でもっとも忙しいエンジニア/プロデューサーの一人、Fabさんの登場。彼は本Tips記事でも軽快な語り口で「ミキシングの心構え」を語ってくれたり、その確かな耳でLauten Audio社のマイク開発に携わったり、あるいはミキシング・ツールのデモンストレーションなども行っています。

まとめ記事:FabさんによるMixがうまくなるTips


一級のエンジニアさんがミックスを語るときに「ほんの少し」という表現を使うシーンが多々あります。この「ほんの少し」の裁量は当然ながら人によってまちまちで、あるいは何について語るかによっても違います。

リバーブセンドを3db上げる事を「ほんの少しリバーブへ」というシーンもあれば、EQでミドルを0.5dbブーストする事をほんの少しと表現することもある。これこそがミックスの面白さであり、醍醐味なのかもしれません。

本日のムービーはこの「ほんの少し」の一例をご紹介。ボーカル処理にフォーカス。片手間に聞いているとビフォーアフターで「え?なんか違う?」くらいの違いですが、これこそが一級エンジニアの「ほんの少し」なのです

いかがでしたか?

ここでご紹介されているステップは大きく2つ。ひとつはコンプレッション処理。もうひとつは「ほんの少しのガッツ」を出したところです。Oxfordのプロセッサーを使っていなくても、同様のツールでこの「ほんの少し」を追求することもできるかと思います。

コンプレッション処理のステップでは、オン・オフを繰り返してビフォーアフターを聞かせてくれています。複数のリージョンを切り貼りして作成されたというこのボーカルトラック。バックトラックとの「馴染み」を考えたときに、エンジニアがどこに注目して処理をするのか、チェックしてみてください。

コンプによってでてくる違いは「響き」ボトムの「安定感」、そして「存在感」。パラメータをまねるのではなく、オン・オフの違いによってどう聞こえ方が変わるのかに注目していただきたいところ。


もうひとつの処理は、「ほんの少しのガッツ」を出すこと。具体的にはOxford DynamicsのWarmathパラメータをまわすことで得ているキャラクターですが、他にも似たようなツールで再現可能かもしれません。

何の意識もなしにビフォーアフターを聞いても「え?なんか違う?」もしくは「違うといえば違うけど…」という感想を持たれるかもしれませんが、Fabさんが魔法の一言でその疑問を解決してくれます。つまり「ここを聞けば違いがよくわかるよ」と。

言葉では「ほんの少し」。でも「大きな違い」。こういった丁寧なテクニックが身に付くと、ミックス上達の一歩ですね。


使用プラグイン

Sonnox / Oxford Dynamics


10 9月 13

ミックスに必要な「奥行き」


スタッフHです。

久しぶりの更新となる「MixがうまくなるTips」。本日もまた、ご覧になる方によってさまざまな応用ができそうな、良ネタです。使用しているプラグインはSonnoxのコンプ、リバーブ、マキシマイズ系のものですが、似たような他のプロセッサーを使っても代用の参考になるかと思います。


ミックスの話になるときに話題になる「立体感」や「奥行き」という言葉。彫りが深く、ひとつひとつの楽器の配置まで見えそうなミックスが施された曲は、聞いているだけでドップリと浸ってしまいそうな魅力も兼ね備えています。

ところがこの奥行きを与えるという作業は、言葉でいう何倍も難しいのです。「リズム隊のドラムとベースは楽曲を支えるため、一歩後ろにあるつもりで配置」とか「ギターはその上に」「主役となるボーカルは一番前にくるように」とか。LとR、そしてフェーダーで音を配置しているだけなのに、前とか上とか、上級者の感覚にしか分からないような言葉で説明されてしまいます。

今日のムービーネタは、そういった「一歩上」に達するためのスタートポイント

マイクを使ってレコーディングしてきたドラムのトップマイクを立体的に仕上げる。コンプで潰しているにも関わらず、プレイヤーが表現した「荒々しさ」を取り戻したり、リバーブひとつで、あたかもプレイヤーが「そこ」に存在してるかのような奥行きやスペースをつくる手法を解説します。

いかがでしたか?

ムービーで語っていたり、字幕で解説されているポイントももちろん大切ですが、一級のエンジニアが「ちょんちょん」とマウスで適宜調整を行っているところも併せてチェックしてみてくださいね。たいていこういった場所に、盗むべき上級テクニックがあったりします。


  • 最初に説明されているのはドラムのオーバーヘッドマイクへの処理。ここには、Oxford Dynamicsによるコンプ処理と、Inflatorによるマキシマイズ処理が行われています。

コンプは「音を潰す」プロセッサーです。間違った使い方をすると、立体感や奥行きを出すどころか、反対にノッペリとした表情のない音になってしまうこともあります。しかし、適切に使うことで素晴らしい立体感を得ることができる、という行程を解説。

コンプの後はSonnoxの魔法のプラグイン、Inflator。このシーンでは、マウスの動きにも要注目です。エフェクト処理を行うと同時に、インプットゲインとアウトプットゲインを絶妙にコントロールしています。インプットボリュームで大きく表情を変えるダイナミクス系、マキシマイズ系は必ずこうしてインプットボリュームにも繊細な目を向けなくてはいけない、という事もわかります。

コンプとInflatorを使うことで、彫りの浅かったトップマイクのサウンドを劇的に「彫りの深い」音に仕上げているところがポイント。この行程で、平坦だったミックスにひとつ、立体感が生まれました。

  • 1:25〜は、スネアのオンマイクの処理。ここでは、リバーブを用いてドライなスネアに広がり、奥行きを与えています。

これはまさに冒頭で触れた、リズムを一歩後ろに配置させるテクニック。ドライで目の前に張り付いているかのようなスネアドラムにリバーブをかけ、奥行きを与える行程が解説されています。

スネアにリバーブ。決して珍しいテクニックではありません。が、ここで大事なのは「左右に広がるアンビエンスを付加するため」。これにより、センターに位置するであろうボーカルやリードギターが相対的に上にあるように響かせるためのテクニック。

「最初は大げさなくらいセンドしてみてもOK」「徐々にさげて、イイ感じのところを探す」など、実際の作業行程を教えてもらえるような内容です。

特にリバーブは、きちんとしたモニター環境がないと判断が難しい項目の一つですが、このビデオをご自身の環境で聞きながら、「ああ、これくらいでOKなんだな」という感覚を養いましょう。

「前に出すこと」だけで立体感を得るのではなく、「一歩引くもの」を作ることで相対的な立体感が得られるテクニックです。


  • 3:00〜は、リズムギターにも奥行きを加えています。こちらもリバーブを使って「空間」を作るテクニック。

リバーブを使って広がり、奥行きを与えるという点はスネアのところと変わりませんが、このギターはやや左寄りにパンニングされています。左右どちらかに偏ったサウンドにリバーブをかけるとき、どのような掛け方をするとリスナーに「広がり」「奥行き」として届くのか。ビデオの解説を参考にしながら、お持ちのリバーブで実験してみてください。

このパート最後では、リバーブのオン/オフ聞き比べもあります。リバーブによってただ単に音に広がりが出てきただけでなく、「あたかもその位置にあるギターアンプが響いているよう」なサウンドメイキングの一部にも注目してみてください。


熟練のエンジニアたちは、こういったテクニックをベースに独自の「立体的なミックスを作る」技を持っています。「このプラグインがあれば、誰でも立体的なミックスになります」のような製品は、ないでしょう。

たくさんのレコードから立体感、奥行きのあるミックスのTipsを学び取ることもできますし、ライブをたくさん見に行く事で「私たちはどういった響き方に奥行きを感じるのか」に触れられるかもしれませんね。

使用プラグイン

Oxford Dynamics

Oxford Inflator

Oxford Reverb


21 1月 13

覚えておきたい複数プラグインの合わせ技


スタッフHです。

少々間が空いてしまいましたが、本日もまた人気の「ミックスが上手くなるTips」記事を一つ。本日の内容は決して突飛なものではありませんが、ミックステクニックを基本から学び直したい、という方にはぜひともご覧いただきたい内容です。テーマは「サウンドを際立たせるために、プラグインをどう組み合わせるか」

お題となる曲は、カントリー調のトラック。対象はアコースティックギターにフォーカスしています。が、解説の中にでてくる一言一言はきっとダンスミュージックでも、ロックでも、あるいはジャズやポップスでも参考になります。「ミックスがうまい人はそうやって考えるんだな」と思いながら感覚を養いましょう。

ビデオはこちら。駆け足ではありますが、4分半ほどのムービー。


いかがでしょうか?一つのギタートラックに施されたEQ、コンプ、リバーブ、リミッターなど一連の処理が解説されています。ムービー前半では、キーとなるプラグイン全部をオン/オフして比較しています。処理前/処理後の違いを聞いてみましょう。

  • 45秒〜

最初に施されているは、意外にもリバーブ。ドライ気味(部屋鳴りのない)にレコーディングされたギターに、美しい響きのアンビエンスを加えるためと解説されています。

Oxford Reverbは「リバーブサウンドだけに掛かるEQ」を搭載している事も特徴ですが、ここでは実際にリバーブサウンドにEQしながら、壁や床などに反響した音を作り上げています。ここは、EQの動きをチェックです。

リバーブはこれだけではありません。もう一つのOxford Reverbを使用して、こちらではプレートリバーブを用いて奥行きを作っています。2つのリバーブを組み合わせるのは決して珍しくないテクニックですが、闇雲にこのテクニックを用いてしまうと、音がボヤけてしまう結果を招きます。

どれくらいの割合がいいのか、ビデオでチェックしてみてください。


  • 2分20秒〜

お次はEQです。とてもベーシックな処理ですが、それぞれの帯域のブースト/カットがどんな目的で掛けられているか。最初のチェックポイントはここです。

Oxford EQには4タイプ(DSP版には5タイプ)のEQが用意されている事もポイント。Oxford EQが「よいEQだ」と言われる理由はここに詳しい解説があります。


  • 3分〜

次はコンプレッサー。使用しているプラグインはOxford Dynamicsです。このギタートラックは(おそらく上手い方が演奏されたものと思うので)ピッキングも安定しています。プレーン弦(1〜3弦)中心の演奏なので、アンサンブルの中で少しの「音量感」が欲しいところ。

ものすごくアッサリと解説が終わりますが、黄色いリダクションメーターをよく見て「潰れ方」を確認してください。ここではだいたい3〜4dbのコンプレッションが掛かっており、その分メイクアップゲインで音量を稼いでいます。


  • 3分20秒〜

チャンネルにインサートされたプラグインのうち、最後はビデオで「僕の魔法のツール」と言っているOxford Inflator。どうして「魔法」なのかは、本ブログの過去ポストでチェックしてみてくださいね。過去ログではドラムやベースにも使用した例を掲載しています。


ミックスに「正解」はありません。このポストをご覧になって「いやー、違うでしょ、自分ならこうする」と思われる方は、おそらくご自身のカラーを持たれている方でしょう。あまり参考にならなかったと感じられましたら、すみません。

反対に「参考になった!」と感じられる方は、まだまだミックス力に伸びしろがあるかもしれません!本ビデオで解説を務めるRichさんもまた一級のエンジニア。素早く駆け足の作業は、数多くの経験に基づいたものです。何気なくフェーダーやツマミを「ちょんちょん」と触る一挙一動にも目と耳を向けて、様々なテクニックを盗んでくださいね!

→ Sonnox Oxford 製品一覧リンク


16 4月 12

ベースのミックス…自信ありますか?


スタッフHです。

好評連載中の「MixがうまくなるTips」。本日は第15回、ずばり「ベースの馴染ませかた」。ムービーではレコーディングされたエレクトリックベースについて解説をしていますが、さまざまな”ベース”に応用できそうな内容です。音源で作ったベースでも、シンセベースでも。


レコーディングが終わり、いよいよミックスへと取りかかったとき。楽曲の屋台骨となるキックとベースの絡みに注目する方は多いと思います。ひいては、ドラムとベースの絡みと言ってもいいでしょう。場合によってここにリズムギターが絡んでくる事もあります。

ドラム単体で聞いたときのミックスはいい感じ、ベース単体で聞いたときのサウンドもいい感じ。リズムギターのサウンドはお気に入りのアンプを使って心地よいトーンに仕上がっている。それぞれはいい音なのに、いまいち「まとまり感」がない。


…とまぁ、ここをスタートとしてミックスの作業を始められますよね。リズムの骨格となるドラムと、曲の方向性をきめるリズムギター。この間にいる接着剤のような存在が、ベースです。本日のムービーはここに着目してチェックしてみてください。

わずか4分ほどのステップで(駆け足ながら)、ベースを素早くミックス中に馴染ませることができました。ポイントをざっとかいつまんでみます。

最初のステップでは、ベースレコーディングでよくあるインプットクリッピングの解消方法と、滑らかなコンプについて解説しています。極端なリミッティングはベースの大切な低域をロスする事になりますが、とはいえ必要なステップ。どのくらいのリミッティングが最適であるかは、ムービー中の赤いリダクションメーター(Oxford Dynamicsの上段中央、一番右)を参照してください。


コンプにも一つ参考になるTipsが。曲調(またはベースライン)の荒々しさに反して、ここではソフトな仕上がりになるようなコンプ設定(ニーの滑らかさ)が使用されています。曲調が激しいものになると、無意識のうちにプラグインの設定も「荒く、固く、バキバキに」なんてしてしまいがち。せっかくベーシストが「荒さ」を演奏のニュアンスに込めたのですから、ここではそれをロスしないようなセッティングにしているところに注目です。


つぎのステップでは、ピック弾きのベースに必ずつきまとう、ピッキングノイズの対策について触れています。ビデオはエレクトリックベースにおけるTipsとして解説していますが、これはシンセベースなどでアタックの強いサウンドを使った時などにも有効なテクニック

ピッキング時の「パキン」としたニュアンスは、演奏時にはものすごく気持ちいいんです。私もベースを弾きますので、この音が「ハマった」ときの格好よさはたまりません。とはいえミックスに主眼をおくと、どうも他の楽器から「浮いている」ように感じるのも確か。ニュアンスを残しつつ馴染ませることができればいいのですが…。

本ムービーのほとんどの時間をこの解説にあてています。どのように対処しているか、チェックしてみてくださいね。


つぎのステップでは、「ほんのわずかのゲインアップとプレゼンス」を得るための処理。

ベースのサウンドについて語るときにでてくる単語として「ぐっと前にでてくる」なんて言葉を使うことがあります。「馴染む」作業をしているのに「前に」なんて。一見矛盾をしているようにも思えます。しかしここでチェックしていただきたいのは、

  • 周りのサウンドから「浮いていることと、
  • 馴染んでいつつも「前にででくる」こと

の違い。ムービーの最初に戻って比較しながらご覧ください。


ベースはどんな楽曲においても重要な役割を果たします。

ポール・マッカートニーのようにメロディーラインを引き立たせるカウンターメロディーのような役割を果たす事もあれば、キックと完全にシンクしてグルーヴィーなラインを演出することもあります。ロックンロールのように曲全体をグイグイ前に引っ張っていくようなこともあれば、速いテンポにあわせ8ビートをひらすら刻み続け、躍動感を担う時だってあります。ジャズにおいてトーナリティのマスターがピアノでも、ジャコ・パストリアスのように「裏のトーナリティ・ボス」になることもできれば、TB-303がなければ産まれなかった音楽は数えきれないほどありますよね。そんなとき、必ずベースは他の音に「馴染んでいる」はずです。

ドラムやギター、そしてベース。それぞれレコーディング時には最高!な音でも、ミックスになるとパズルのようにお互いをはめ込むような作業が必要になります。本日のTipsをきっかけに、みなさまそれぞれの「オリジナル・馴染ませ」方法を開拓してみてくださいね。

→ Sonnox Oxford 製品詳細リンク


09 4月 12

シンプルなミックスから学べること


スタッフHです。

好評連載中の「Mixがうまくなる」Sonnox QuickTips。先日の「まとめリンク」記事もたくさんの方にご覧頂いているようで、わたしたちも嬉しい限りです。一連のシリーズで紹介しているテクニックは、仮にSonnoxの製品をお持ちでなくとも為になるテクニックばかり(もちろん、Sonnox製品なら”より確かな”効果をお約束します)。さまざまなテクニックを吸収して、日本から産まれる多くの作品がより素晴らしいものになればいいなぁと願っております。

さて、本日もまた新しいTipsをひとつ。

ここまでのQuickTipsでは、おもに一つの処理(=1つのプラグイン)を中心に紹介してきましたが、本日はより実践的なミックスの手順を紹介しています。お題は「シンプルなアコギ1本弾き語りのミックスについて」

「えーっ、僕はバンドミックスが中心だから、そんなシンプルなミックステクニックは必要ないかもな」とは思わず、ぜひご覧になってみてください。シンプルなミックスからも学べるTipsがたくさんあります。きっと様々なミックスへ流用できるテクニックだと思いますよ!

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23 2月 12

ドラムミックスのキモ。アンビマイクの仕上げ方


スタッフHです。

本日は久々にSonnoxからのビデオと共にご紹介する、「MixがうまくなるTips」。

ここ数回のテクニック編は反響が大きくて、「やってみたら確かにうまく行った!」「面白かった」や、「そんなテクニック既にやってるよ〜」「僕ならミックスの前に録り音を見直す」いろんなご意見がありました。

ミックスは千差万別、本日ご紹介するネタが「ぜったいに最高だ」というわけではないですし、「そんなテクニックとっくに知ってる」という方もいらっしゃると思います。数あるテクニックのうちの一つとして、いつか試してみようかな、くらいに受け取ってもらえると幸いです。


さて本日のお題は、ドラムミックスの中でも特に「アンビエントマイク」にフォーカス。

実際にマルチマイクでドラムをレコーディングする場合はもちろん、近年の大容量ドラム音源の多くがアンビエントマイクのサウンドを個別に用意しています。たくさんの方がマルチマイクのミックスをご自宅でできる中、実践的に使えるテクニックを一つ。

コンプを掛ければいいのは分かるんだけど…どれくらい潰していいのか?他のマイク(キックやスネア、オーバーヘッド等)とは、どれくらいの比率で混ぜたらいいのか。ビデオで使用しているOxford Dynamicsをお持ちでなくても、サウンドの参考になるかと思います。では、どうぞー。

いかがですか?

ルームマイクはドラムの「奥行き」「全体感」を出すために欲しくなるサウンド。しかし、収録したスタジオの部屋鳴りによってサウンドも大きく変わります。何の気なしにコンプで潰してしまうと、大暴れしてしまう事もありますね。過剰なルームサウンドは、ミックス全体に大きな悪影響を出す事もある、とビデオでは語られています。

でも、欲しいんです。ルームサウンド。大好きなCDで聞ける心地よいドラムサウンドは、たいていルームサウンドをうまく使っているものでした。どうやって解決しましょう?


ビデオではまず、エクスパンダーを用いて部屋鳴り感の大きいこのサウンドをタイトに仕上げるステップから解説されています。しかも、意外なことにスネア用のプリセットを使っているようです。

Oxford Dynamicsなら、”HOLD” つまみでどのくらいエクスパンダーを機能させるか、という解釈で作業ができます。ここでは、HOLD=タイトさ、くらいに考えてもいいかもしれませんね。

エクスパンダーの後は、コンプレッサーです。ルームマイクを心地よく響かせるために、強めのコンプは必須といってもいいかもしれません。しかし潰し過ぎはサウンドそのものの魅力を奪ってしまうので注意が必要です。

ビデオではレシオ4:1、スレッショルドも-20dbの設定となっていますが、「ソフトニー」の調整を行うことでマイルドな仕上がりに聞こえますね。迫力は出しつつ、透明なコンプレッション。ルームマイクの処理には「速めのアタックタイム」が一般的ですが、なんとここでは最大値(最も遅いアタックタイム)になっている点もポイントです。

Oxford Dynamicsは一つのプラグインの中にダイナミクス系プラグインが複数収められていますが、もちろんリミッターも搭載しています。コンプ通過後のサウンドを、念のためリミッターでピークのみ取り除いておきましょう。そして最後にOxford Dynamics最大の魅力、WARMTHを通します。これにより真空管などのアナログプロセッサーを通したような暖かさが得られるのです。

こうして仕上がったルームサウンド。ミックスと合わせて聞いてみていかがでしょう?一つ一つのプラグインをバイパスした状態も聞かせてくれています。エクスパンダーがオフになれば少々だらしない感じになってしまいますし、コンプがなければやっぱり迫力も、パンチ感も減ります。WARMTHがオフになるだけで、音楽的な「匂い」が失われたようにも感じます。

多くのエンジニアさんが、アンビマイクの処理はドラムミックスのキモだ、と仰っているのを見たり・聞いたりします。いろいろな方法を試して、オリジナルのミックス法を確立してみてください!


出演者プロフィール

解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。

03 10月 11

コンプで「絶妙な感じ」をコントロールする


スタッフHです。

連載でお伝えしているSonnox QuickTips。本日はVol.7。Oxford Dynamicsを使用した「コンプの一歩進んだ使い方」編です。

先日Twitterを何気なく見ていたところ、この連載の事を好きだと仰ってくださっている方をお見かけしまして。嬉しいですねぇ。私たちメディア・インテグレーションは、音楽を愛するみなさまのヒントになるような「何か」を提供できるような会社でありたいと願っています。それが製品であれ、このようなTips記事であれ、ときには一円の売り上げにならないものであっても(これ書いちゃうと上司が怒りますが)、努力を重ねたいものです。


さて、それはさておき。冒頭にも書いた通り、本日はコンプの一歩進んだ使い方。

コンプは簡単なものです。入力された音を”あるルール”で潰しているだけなのですから。各コンプレッサーそれぞれに”潰し方”の味わいがあり、癖があり、特有の機能がありますね。

でもコンプは難しいものです。上で書いた”あるルール” を「いい感じ」にコントロールする方法を体得するには、とにかくたくさん経験を積むしかありません。最近のコンプは大量のプリセットが収録されていますが、入力レベルが違えばコンプのかかり具合は変わるわけですから、一概にプリセットに頼るわけにはいきません。これは、本ブログをご覧くださっているみなさまには釈迦に説法ですね。

では本日のムービーです。本日はちょっと長めの7分半。Oxford Dynaminsを使用して説明をしていますが、お持ちではない方にも参考になるムービーです。

いかがでしたか?

かなり駆け足で説明されているビデオですが、かならず各モジュールをオン・オフして違いを聞き比べしているので、その違いも聞いてみてください。

コンガにかけられたコンプレッサーで、コンプと一緒にEQ処理をすると音の印象はどう変わるのか。コンプレッションでアタックの印象が変わるのはもちろんですが、リリースの部分の印象も変わり、全体とミックスしたときには混ざり具合の印象にも影響があるようです。その他「音をタイトにしたいので」というキーワードでは、どんなパラメーターをどれくらい調節しているかも参考になりますね。

センドに送ったリバーブの後にコンプを入れるという手法は、2年半ほど前にCOILの佐藤洋介さんのインタビューでも同じ事をお伺いした事がありました。こちらのインタビューでも面白いお話が満載なので、お時間のある時でもご覧ください。

リバーブの後に入れたコンプでは、いわゆるアタックを「潰す」というコンプではなく、リリース部分の広がり方を調節するというテクニック。リバーブもサウンドの一部として考え、テイル部分の消え方をコンプで印象的に仕上げています。最近のリバーブプラグインはパラメーターも多く、こういった部分を調節可能なものもあるかもしれませんが、私たちが最も使い慣れたコンプで仕上げをするということは、ある意味で自然な作業なのかもしれませんね。

Oxford Dynamicsは、コンプやゲート、エクスパンダーやリミッターなどのダイナミクス系を一手に収録したプラグイン。ウインドウ右下のモニター部分をみると、複数のダイナミクス処理によってサウンドがどう切り込まれているのかが一目で確認できるようになっています。

ムービーの最後には、Oxford Dynamicsを使用したマスターチャンネルへのリミッティング処理を紹介しています。Sonnox OxfordにはマスターリミッターのOxford Limiterもありますが、このOxfrod Dynamicsで目指したものは「クリーンなリミッティング」。どういったパラメーターで使えばいいかの参考になりますね。

→ Oxford Dynamics 製品詳細


出演者プロフィール

解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。

02 8月 11

コンプとゲートを使いこなして、ミックスを立体的に「彫り込む」


スタッフHです。

本日より新しい「MixがうまくなるTips」のシリーズ、Sonnox Oxford社ウェブサイトに掲載されているムービーTips集に日本語字幕をつけて公開していこうと考えております。これがまた面白くてためになるTips満載なんですよ。

シリーズは現時点でVol.9まで公開されており、順次公開をしてまいります。本日のお題は「コンプとゲート」で作るエフェクトについて。

コンプはさておき、ゲートの用途といえば、タムのマイクに立てたマイクの被りを除去するためとか、ボーカル録音時の不要部分を消すためとか、そんな用途くらいしか私は思いつかなかったのですが、このビデオで解説するのは、ゲートでループサウンドにスタッカートエフェクトを出すというもの。

三分ほどのビデオなので、まずはご覧ください。

いかがですか?ゲートによってループからアタッキーなサウンドのみを抽出し、さらにゲートのアタック設定でグルーブやノリといった部分を調節。「ホールド」というパラメータは「ブレンド具合」と置き換えると理解しやすい他のパートとの「馴染み」を調節するには…?と、ミックス時に役立つTipsがありましたね。

アタックを出すために闇雲にコンプをかけるのではなく、ゲートで素材を立体的に彫り込む、というのもまたクセになりそうなテクニックですね。

Oxford Dynamicsはコンプだけではなく、ゲート、エクスパンダ、リミッター、サイドチェインEQ、Warmath(暖かみを加える)など、ダイナミクスにまつわる様々な処理を一手に行えるスーパープラグイン。見た目のクールさに反して、実は結構大胆なコンプサウンドも生み出せる製品なんですよ。

→ Oxford Dynamics 製品詳細ページへのリンク


出演者プロフィール

解説: Rich Tozzoli
Rich Tozzoliによる、ミキシングを中心にOxfordプラグインのクリエイティブな使い方を紹介するTips集!
グラミー賞ノミネートのプロデューサー/エンジニア/コンポーザー、Rich Tozzoliは、アル・ディメオラ、デビッド・ボウイ、ホール&オーツをはじめとするアーティストのプロデュース/エンジニアを担当。ディズニー・チャンネル、HBO、FOX NFL、アニマル・プラネット、Nickelodeonなど数多くのTV番組楽曲も手がけています。

15 7月 11

Fab DupontによるMixがうまくなるTips、全5回のまとめ


スタッフHです。

5回に渡り連載してきたSonnox Oxfordプラグインの「MixがうまくなるTips」。たくさんの方にご覧いただいているようで、ありがたい限りでございます。Sonnoxで公開されている本連載はひとまずここまで。更新があればまたここで公開いたしますね。

いまいちど、全5回のリンクを貼っておきます。

  1. 全てのイコライザーがイコールではない
  2. ベースドラム、低域に宿る命
  3. EQとチャンネルフェーダーは悪だくみをしている?
  4. レコーディングの世界における差別化の証拠?すべての周波数は平等に創られているか
  5. 衝動を”SuprESS”して、より生産的な日々を過ごそう

どのストーリーもミックスにおける大切な事を教えてくれるTipsで、Sonnox製品をお持ちでなくても参考になるものばかりでした。しかし、Sonnox Oxford製品を使えば、よりクオリティ高く、確かな効果が得られます。

本日は、Sonnoxの代表的なプラグインの解説と、使用して下さっている方からのコメントを掲載いたします。

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