Media Integration, Inc. Staff Blog

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24 7月 14

複数テイクの微妙な音の違いを、「EQマッチング」でスピード解決!


異なる音質を適合させる「EQマッチング」とは?

こんにちは。スタッフSです。

ラウドネスソフトウェアとして一躍スタンダードとなったNugenAudio社より、新たにリニア・フェイズEQ SEQ-Sがリリースされました。

NugenAudio社はもともとマスタリング・エンジニア、音響理論、プログラミングの専門家によって設立されたメーカーであり、音楽的な処理に関しても他メーカーとは異なる視点でユニークなプラグインを多数リリースしています。
特定の帯域をモノラル処理してトラック全体の存在感、透明感を出すMonoFilter、帯域ごとに自由にパンニングできるStereoplacerなど、マスタリング・エンジニア視点ならではのアイデアが詰まったラインアップです。
SEQ-Sもその視点に沿った、非常にパワフルで位相ずれの発生しない処理が可能なリニア・フェイズEQです。

音質を重視した高品位なEQ処理はもちろんですが、SEQ-Sには「EQマッチング」という非常にユニークな機能が搭載されています。
本ページでは、この「EQマッチング」の手順を紹介していきたいと思います。

簡単に解説すると、サンプルとなるオーディオ・トラックの周波数特性を解析し、別のトラックも同様の周波数特性にする機能です。
例えば、別の環境や機材で録音した別テイクの音源を差し替えて適合させたい場合、マッチング機能を使用することによって、非常に差異の少ないトラック処理が可能となります。

では、このEQマッチングはどのように行うのでしょうか?


1.サンプルとなるオーディオトラックに”Nugen Snd”プラグインをアサインします。
このプラグインは、いわばNugen独自のサイドチェイン送信用のプラグインです。このプラグインをアサインすることで、別のNugenのプラグインへ、そのトラックの音を送信することが可能です。

2.実際に処理を行いたいトラックにSEQ-Sプラグインをアサインします。

3.Matchボタンをクリックし、

“Record New Snapshot”を、

続いて”Record From: SEND 1″を選択します。

この手順は、Send 1(ステップ1で指定したNugen Sndの信号)からの信号で、新しいサンプルをレコードする、という設定となります。

4.トラックを再生し、”Record”ボタンをクリックすると、サンプルトラックから解析が行われます。デフォルトでは5秒間となっています。
完了したらSaveボタンをクリックして解析カーブを保存します。

これで目的(サンプル)となる周波数特性の計測が行えました。画面に青い線で表示されます。

5.次に適合先のトラックの解析を行います。”Record New Snapshot”をクリックします。

適合は自身のトラックなので”Record From SELF”を選択します。

6.再度トラックを再生し、”Record”ボタンをクリックします。5秒間サンプルがキャプチャされ、アサイン先のトラックの解析が行われます。Saveボタンをクリックして解析カーブを保存します。

7.青い波形がサンプル・トラック、緑が自身のトラックの解析データとなります。
EQマッチングでは、この差分を計り、適正なEQカーブをアサインすることが出来るのです。

8.右上の”Match”をクリックすると、差分のカーブが表示され、EQプロセスが行われます。


マッチパターンは3通り保持することが可能です。

EQカーブはマルチポイントで補正が行えるので、各ポイントごとに細かく調整したり、ポイントの繋がりやカーブ全体を緩やか/鋭角に変更することも可能です。

いかがでしょうか?
別の場所や機材などで録音した音声を違和感無く差し替えたい、このギターやキックの音と似た感じのEQ処理を行いたい、などマッチング機能を使うことで、より積極的なEQ処理が行えるます。ナレーションやボーカル、楽器など様々なMAから音楽制作まで幅広いジャンルでこれまでとは一歩進んだ、新たなEQの使い方で積極的にご活用ください。

今回ご紹介したSEQ-Sの製品ページはこちらから。


31 1月 14

大容量ドラム音源の欠点解消?!完璧なハイハットコントロール


スタッフHです。

本日は、大容量ドラム音源につきまとう「ある問題」を、BFD3で解消する記事をひとつ。各所にビデオを挟んでいますが、全て数十秒〜1分程度となっていますので、読み進めながらビデオを見てくださいね。


古今東西あらゆる大容量系ドラム音源において、もっともサンプル量(=容量)が多いものといえば、ハイハットです。ご存知の通りハイハットは、ドラムキットの中でももっとも表現量があるパーツ。2枚のシンバルを重ねているだけなのに、その開き具合や、スティックの打点位置、強さの全てが相まって。実に多用な表情があるからです。

リズムの要でもあるハイハット。素晴らしいドラマーの演奏を見ると、やはりハイハットの表現が最も違います。ハイハットは、ただリズムを刻むだけのパーツではありません。

近年の大容量系ドラム音源も、この表現力の固まりであるハイハットに力を注いでいます。リリースされたばかりの究極のドラム音源、BFD3ではこのような感じです。

BFD3 様々なハイハット表現(57秒)

スティックの先端で叩くことをTip、スティックのショルダーで叩くことをShankと表記していますが、その違いだけでなく、ハイハットの開き具合を5段階としています。つまり、この時点で2×5の10バリエーション。

さらに、この10バリエーションそれぞれに精密なベロシティレイヤーが最大で80レイヤーまで組まれていますので、ここまでで既に800バリエーション。スティックを使わないペダルの動作や、ハイハットのてっぺん部分(ベル)を叩くなどの奏法を加えると…

…とんでもない表現がBFD3だけで可能であることがお分かり頂けるかと思います。きっと、ライバル音源となる他社のものも、ハイハットには相当な労力と、容量を掛けている事でしょう。


ところでこのハイハット、これだけのバリエーションがあると、実際の鍵盤(ドラムパッド)にはどう並ぶのでしょう。私のような古いGM世代には、ハイハットといえば鍵盤3つだろ!(それでも当初は驚いたものです)と思うのですが、実際はこんなにバラバラに配置されています。

BFD3 多数の鍵盤にマッピングされるハイハット:23秒

BFD3は世界最大数のキーマッププリセットを持っていますので、GMを基準としたり、他社マップをベースにしたものを使えば、それなりに使いやすく動かせるかとは思いますが、それでもこれだけのバリエーション。ムービーでは全てのバリエーションをお見せしていません。

リアルなドラムトラックをプログラムするためには(大容量ドラム音源をお持ちの方なら、きっとそう願っているでしょう!)、熟練のドラマーさながらにハイハットを精密に打ち込まなければなりません。これらの鍵盤に散らばったハイハットを駆使して、時にはドラマーになった自分をイメージしながら「ここはどれくらいハイハットが開いているか」というプログラムをする必要があります。

しかし…大変です。色々なところにマッピングされたハイハットを使い分けるのは…。


なにかもっと快適にハイハットに集中できる手段はないか

実はこんな前フリをするくらいですから、あるのです。BFD3なら。

鍵盤のいたるところに散らばるハイハットを「たったの1カ所の鍵盤」に集め、集中コントロールできる方法が。ここからはその設定に関してご紹介をしてまいりましょう。

最初に行って頂くのは、「どの鍵盤で集中コントロールしたいか」を決めて頂く作業。その作業はこの流れです。

BFD3 キーマップを設定する:47秒

ビデオ中、見慣れない単語が登場しました。「Variable Tip」です。単語からもそれっぽい雰囲気は伝わってきますが、言い換えると「変幻自在のハイハット」といったところでしょうか。ご自身で「ココ!」と決めた使いやすい鍵盤を見つけて、ビデオのようにアサインをしてみて下さい。


次に行って頂くのは「ハイハットの開き具合を調整する」ための、コントローラーのアサインです。MIDIキーボードなどで使っていないホイールやスライダーを使用します。私の場合、ドラム音源でモジュレーションホイールを使うことがないため、コレを使う事にしました。ビデオの通りにモジュレーションホイールをアサインしてみましょう。

BFD3 ハイハットコントロールのCCアサイン:34秒

勘のするどい方はこの辺でお気づきかと思いますが、このコントロールは実際のドラマーでいうところの「左足のペダル」と同じ役割です。左足を上げればハイハットが開ききり、左足を踏み込めばハイハットが閉まる。この動作を(今回はモジュレーションホイールに)アサインしたというわけです。

この状態で、先ほど決めた鍵盤を演奏すると、ビデオの後半にあるように「たったひとつの鍵盤」でオープンからクローズまでのハイハットにアクセスできます。「ハイハットをだんだん開いていく」とか「1/4だけ開けた状態から微妙に開いて、ハーフオープンにする」なども、鍵盤を移動することなく1個の鍵盤で行うことができるようになります。


実はまだある

さらに勘のするどい方なら、ここまでの行程で「全部じゃない」とお気づきかもしれません。ここまでで登場したのは「スティックの先端部分=Tip」の奏法だけ。冒頭にも書いた通り、スティックの腹(Shank)で演奏する鍵盤が、もう1つだけ必要です。

最後に、このShankのアサイン。さらにペダルを踏んだサウンドについてのビデオをご紹介しておわりにしましょう。

BFD3 全てのハイハット!:1分7秒

いかがでしょう。たった2つの鍵盤(スティックの先端を担当する鍵盤と、スティックの腹を担当する鍵盤)と、たったひとつのコントローラー(今回はモジュレーションホイール)だけで、煩わしいオクターブシフトも、マッピングを確認する作業も必要なく、大容量ドラム音源BFD3に収録された全てのハイハットを使う事ができました。ほんの少しは、BFD3ユーザーの制作の時短にも繋がるのではないかと思います。

節約できた時間で、アレンジのブラッシュアップやメロディーの見直し、ミックスに時間をたっぷり使っていただいて、より素晴らしい作品を作ってくださいね。

>BFD3 製品詳細リンク


29 1月 14

WAVES Lシリーズとは?


スタッフHです。

私は仕事柄、取り扱いのブランドや製品についてディーラーの方とお話をする機会があります。歴史のあるブランド、新進気鋭のブランド、変わり種だけども味わい深い製品を作るブランド、さまざまです。

中でももっとも苦労するのが、プラグインデベロッパーの雄、WAVESです。今や150近いプラグインを抱え、今年で22年の歴史をもつこのブランドを語りきるには、時間がいくらあっても足りないからです。さらに彼らがもつ世界トップレベルの技術は、ビンテージサウンドを愛するユーザーにも、最新テクノロジーを駆使したクリーンなサウンドを求めるユーザーにも、あらゆる人におすすめできるものがあります。そのため、カテゴリーごとに分けて解説する事になります。

その中のひとつのカテゴリー、WAVESのLシリーズについて、ここでは少しだけご説明をしたいと思います。Lシリーズとは、L1からスタートしたプロダクトで、のちにL2、L3、そしてL316と続くラインナップ。そのいずれの製品も、今もなお現役のプラグインであるシリーズです。


L1 Ultramaximizer


1992年に創業したWAVESですが、その最初期に開発されたのが、今なお一線で使用されることの多い、WAVES L1です。L1の登場はデジタルオーディオの革命のひとつと言ってもよく、音楽はもちろん、ゲーム、放送、映画など、あらゆるユーザーに爆発的にヒット。スレッショルドを下げるだけの簡単な操作で、デジタルオーディオにあってはならないクリッピングを回避し、音圧を稼ぎ、デジタルクオンタイズ(ビット解像度の最適化)をしてくれるという製品です。

後にはヤマハ製のミキサー、ハードディスクレコーダーなどにもオプションとして搭載されるなど、その技術はブランドの垣根を超えました。

後に登場するL2やL3に比べると少々歪みっぽく、ハイビット・ハイサンプリングレートが当たり前になった今ではマスターチャンネルに使用される機会は減りましたが、その独特の歪みっぽさを愛するユーザーは多く、ドラムやベースのバスミックスや、荒々しさを出したいシーンで現在も使用されています。


L2 Ultramaximizer

その後に登場したのが、L2 Ultramaximizerです。グラフィックの質感以外は、L1とほとんど同じ見た目でありながら、よりクリーンなリミッティング、マキシマイズができるようになった、進化プロダクトです。

L1とL2を同じスレッショルド値にして聞き比べてみても、その「クリーンさ」は明らかに違います。L1で感じる歪みっぽさはなく、(潰しすぎなければ)ミックスのバランスを崩さない、透明な処理。マイキシマイズしたときの飽和感はなく、長年マスターチャンネルに使用される事になります。

これまたL3、L316が登場してからは、マスターチャンネルに使用される頻度は下がってきたようですが、今でも「クリーンなリミッティング」を求められるチャンネルやバスには使用され続けています。ベーストラックに安定したローエンドが欲しいとき、過度なコンプレッションを避けつつ、ピークのみを取り去りたいとき。L1やL2が今なお現役であり続けるのは、それぞれのキャラクターが音楽的なミックスに役立っているからと言えます。


L3 – Multimaximizer/Ultramaximizer(画像はMultimaximizer)

L2の「クリーンな」キャラクターは、後のシリーズの基盤となりました。L3はそんなL2をベースにしつつ、マルチバンドで処理できるようになった最初の製品。そして、リニアフェイズのEQを搭載した製品です。

入力されてきたミックスを5つの帯域(バンド)にわけ、それぞれの帯域を的確にリミッティング/マキシマイズ。各バンドごとに分けて処理をするため、個別の帯域をより「クリア」に処理することができるようになりました。さらに、それぞれの帯域には「Priority(優先度)」というパラメーターがあり、あまり潰してほしくない帯域を自由に設定したり、率先して潰してもよい帯域を指定できるようになりました。

L1、L2と比べても(同じセッティングで潰しても)透明で繊細な仕上がりが可能になったにも関わらず、積極的なサウンドメイクにも活用できるようになった製品です。のちに、マスターチャンネル以外に個別のチャンネルやバスにも使用できる仕様のL3-LL(Low Latency)も登場しました。


L3-16 Multimaximizer

WAVESによるマスタリングプロセッサーの最高峰。製品名から推測できるように、L3をベースに作られた「進化版」の製品です。

L3では5バンドのマルチバンド処理を行っていましたが、このバンド数は一気に16バンドに進化。しかしながら、16バンドの全てをユーザーに調整するように強いてしまっては、(いくらサウンドが良くても)使いづらい製品になってしまいます。

L3-16でユーザーが調整できるバンドは、グラフィックにもある通り6バンド。しかし、この6バンドそれぞれの間に「隠れた」10バンドがあり、相互の帯域のセッティングを基に自然なリミッティング、マイキシマイズに仕上がるように、背後で動作しているのです。

少々乱暴な言い方をすれば、バンド数が増えるほどより「透明な」処理ができるようになります。それぞれの帯域に専念し、より正確で歪みのない処理をすることができるからです。L3-16は、これまでのLシリーズのどれに比べても、あるいは他社のどんな製品と比べても入力音のバランスをそのまま奇麗にマキシマイズし、潰された感じのないリミッティング処理をしてくれます。

もちろん、積極的な音作りをしたいときには(あるいは、しなくてはいけない場合には)、リニアフェイズのEQを使って音作りをする事もできます。リミッティングではリリースによってミックスのどこに主眼を置くかが変わりますが、ここにもプリセットを用意。ボーカルメインの曲か、クラブで鳴らしたいベース優先の仕上げか、デジタル臭さを取り除くアナログ仕上げがいいか、選ぶことができます。

また、L3-16を購入すると、L3(Multi/Ultra)とL3-LL(Multi/Ultra)の計5プラグインが収録されているのもポイント。シーンによって使い分けてくださいね。


私がディーラーの方にシリーズの説明をするときには、これらのプラグインを一気に並べ、まったく同一のセッティング(L3やL316ではEQを使わない)にしてお聞かせします。スレッショルドは同じセッティングなので、潰される量はそれぞれ同じはずなのですが、やはりキャラクターがまったく違い、近年のものほどバランスが崩れないな、という意見でまとまります。

WAVESはシリーズの進化版が出ても、過去のプラグインを廃盤にしない事も特徴のひとつ。それは、ここでご紹介したようにそれぞれに「代え難い」キャラクターがあることも理由のひとつですが、WAVESプラグインを使ったセッションが将来も安全に開けるようにしているからです。

今ミックス中に使っているプラグインが5年後に廃盤になってしまったら(メーカーが開発をやめてしまったら)、そのセッションファイルを完全な状態で再現することはできません。WAVESが技術的に進歩しているL3やL316をリリースしても、L1やL2を開発中止にしないのは、そのキャラクターが愛されていることに加えて、ユーザーの今後にも配慮した開発背景があるのです。

>WAVES 製品詳細ページリンク


25 1月 14

BFD3はむずかしい?


スタッフHです。

私は仕事柄、楽器店さんへお伺いしたり、クリエイターやエンジニアの方々とお会いしたり、あるいはイベントなどでユーザーさんとお会いする機会が(社内では)多い方なのですが、BFD関連のお話になったときに、

「BFD3、音はすごいと思うんだけど、ドラムの音作りが分かっていないと難しいよねぇ」


と言われることがあります。確かに、やろうと思えばドラムレコーディングと同じような細かなコントロールもでき、反対に実際のレコーディングでは絶対にできないこと(例えば、アンビエントマイクにキックを拾わせない、とか)もできてしまいます。とんでもないほどのマイクを使って収録しているぞ、とか、キック1つにマイクが何本も使っていて、ビギナーには使えないらしい、とか、まことしやかな情報もあるようで、私は立場上、「で、実際のところどうなの?」と聞かれる役目です

私もドラムレコーディングの現場をたくさん見ているわけではないので(ライブは大好きなので、ちょくよく行きます)、正直なところ一級のエンジニアさんのようにドラムの完璧なバランスを作り上げることはできませんが、BFD3には強力なプリセットがたくさん入っているので、ここから微調整をしてデモンストレーションなどを行います。

BFD3の細かな機能を挙げていけばキリがないのですが、本日は最もシンプルな使い方。「プリセットを呼び出して、ちょっとだけ微調整した」サンプルをいくつかご紹介しましょう。微調整とは、シンセ音源でほんの少しフィルターを閉める、くらいの感覚です。

本記事の前提として、BFD3の後にリミッター(WAVES L2)だけを用いました。が、これは音圧を出す目的ではなく、ピークが付かないようにしているだけの作業です。DAWにパラアウトもなし。

ドラムキットを読み込み、アンビエントフェーダーのボリュームをキットによって少しだけ変えました。変更点は補足しますね。全てのドラムフレーズは同じもの(BFD3に内蔵されているもの)を使用しています。


  • プリセット1:Smooth Jazz JMキット

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これは最初に試したキットで、ほぼキットを読み込んだそのままです。ドラムフレーズがジャズ/ファンクに適したものだからか、非常にバランスよく聞こえています。キックが出過ぎていたので、ほんの少しだけキックのフェーダーを下げました。

  • プリセット2:Gretch Purple DVキット

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先ほどの”Smooth Jazz” キットがおとなしめの印象だったので、もう少しキット全体が暴れているようなものがないかな、と選んだキット。キック、タムがGretsch製のものです。このキットはアンビエントマイク(トップマイク、ルームマイク)のフェーダーを全て下げても「箱鳴り」「距離感」のあるキットで、先ほどのSmooth Jazzキットとの違いを楽しめました。

ベタッと張り付くような質感にしたかったので、思い切ってアンビエントフェーダーを下げ目にしただけの状態です。

  • プリセット3:Heavy Metal JMキット

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今までよりももっともっと「強烈な」音を聞いてみたかったので、ヘビー・メタルの名の付いたキットをロード。こんなドラムフレージングなのに、メタルのキットを使っているという辺りも違いがでて面白いかなと思いました。

ドラムキットをロードした直後は、メタルらしいペタペタしたキック、これでもかと鳴り響くルームマイクが特徴的でしたが、ルームマイクを少しだけ抑えたサンプルにしてみました。上のGretschキットと比較して面白かったのは、アンビエントマイクを全てミュートすると、ペタペタするだけで全く迫力が失われること。

  • プリセット4:Country2JM キット

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ここまで徐々に激しめに攻めてきましたので、少々大人しいプリセットキットを試したくなりました。さらに、奏法も変えてブラシを使ったキット(もちろんBFD3に標準搭載)があれば、と思い見つけたのがこちら。

同じフレーズでも、スティックとブラシでは見せる表情がまた違います。それから、そのままの状態ではせっかくのブラシの細やかな表現が失われ気味だったので、アンビエントのマイクはいつも以上に抑え気味に。少々ブラシ奏法っぽさは薄い手数の多さですが、せっかく音源でコレが利用できるのですから、活用してみました。

  • プリセット5:Mapleworks Mallet DVキット

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スティック、ブラシときたら、マレット奏法を忘れるわけにはいきません。独特のアタックの丸み、弱いベロシティーの時にも太鼓そのものが鳴っているような響き。グルーブが一歩後ろにずれたような金物のノリ。このアタック感を逃さないため、アンビエントマイクはトップマイク(ドラムの真上に立てているマイク)を生かすように仕上げています。また、スネアの皮の響きを生かすため、ほんの少しスネアトップのマイクを上げています。

  • プリセット6:POP1キット

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ふと見つけた「POP」というキット。人によって「POP」の定義はまちまちだと思うのですが、BFD3ではどんな響きのキットなのか…と鳴らしてみたのがこのサンプルです。これまにない「いなたい」泥臭さ。ベタッとしているのに、妙な奥行き。ロードしたままの状態はかなり曲者の匂いがしたので(POPって、大抵曲者ですよね!)このキットだけは大胆にエディットをしました。

実際のレコーディングではできない、「アンビエントマイクにキックを拾わせない」というエディットをし、キックのアタック感を生かすように。アンビエントマイクは全体的に抑えめにして、オンマイクのサウンドを生かし気味に。特にエフェクトを使用したわけではなく、フェーダーのバランスでサウンドを作ってあります。


ここでご紹介したBFD3のキットは、全30種類のうちの6つ。さらに、エンジニアがくみ上げたバランスやエフェクトを用いたものを「全体プリセット」と言いますが、これが36種。

プリセットを読みこんで、「スネアだけを入れ替え」「シンバル全部入れ替え」なんて作業もできますので、ご自身ならではの「キット」を作り上げてもらえたらと思います。

BFD3 製品詳細ページ


31 10月 13

ベースラインの魔法使い


スタッフHです。

本日は新しい企画、Waves Electronic Music Productionと銘打った連載記事のご紹介。この企画では、毎回目的を絞ったサウンドメイキングやミックスに関するちょっとしたテクニックをご紹介していきます。世界で活躍する音の奇才たちによるTips集です。

初回となる本ポストでは、「うーん、まぁまぁ悪くないんだけど、いまひとつ」というシンセベースを、より色濃く、主張の強いベースサウンドに仕上げるステップをご紹介しています。


Ilpo KarKKainen

Electronic Music Producer

Resoundsound


本記事はResoundsoundのIlpo Kärkkäinen氏による「シンセベースを帯域ごとにわけ、各帯域を個別に処理してベースライン魔法をかける方法」を解説している。ここでは数種類のプラグイン、C4 Multiband Compressor, Kramer Master Tape, S1 Stereo Imager, Renaissance Bass, Manny Marroquin Distortion, Renaissance EQ and OneKnob Driverなどを使用している。


ベースラインの処理についてよく質問をうけることがある。もちろんいくつもの手法があるけど、今回は冴えないベースラインを最強のベースサウンドに変化させる代表的な手法について解説しよう。これが今回のベースラインネタだ。

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格好いいサウンドと音色だけど、このままだと僕はちょっと物足りない。ちょっと冴えないけど、悪いというわけでもない。もっとアグレッシブな音にしたいんだ。

ここではまず、サウンドの特徴を正しく確認と把握をする。それから強烈な音に仕上げていくんだ。なので、このサウンドを低域・中域・高域の3バンドに分けて、各周波数帯を個別に処理する。

大まかな流れは以下のような感じだ。

  1. ベースラインを帯域別に切り分ける
  2. 低域に使用したエフェクトプラグインをチェック
  3. 中域に使用したエフェクトプラグインをチェック
  4. 高域に使用したエフェクトプラグインをチェック
  5. 最後の仕上げ

  • 帯域別に切り離す

まずはDAW上で低域・中域・高域の3つのトラックを作る。このそれぞれのトラックに、同じオーディオファイルを並べる。

それぞれのオーディオトラックの先頭にWavesのC4をインサートする。C4のソロボタンを使って、それぞれのトラックを低域・中域・高域のみ抽出するんだ。

これが低域のトラックのセッティング。

ご覧の通り、低域以外の帯域は出てこないようになっている。レンジのパラメータは9.0にセッティンッグしてあって、これは小さい音のときにはわずかにコンプで叩く程度、大きな音が入ってきたときには強めにコンプがかかるようになっている。これによって、最初から最後まで均等な超低域をつくることができるんだ。

この処理は低域だけでなく、中域のトラックにも同じ処理をしている。高域の全てをカバーするため、高域トラックで使うC4は高域と超高域の2バンド(4kHzより上全て)をソロにしている。

これにより、それぞれの帯域はこういうサウンドになる。上から順にロー、ミドル、ハイだ。

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さあ、ベーストラックを3つの帯域に分けたことで、ここからはそれぞれの帯域処理に忙しくなるよ!ここからはそれぞれの帯域に使ったエフェクトを見ていこう。


  • 低域に使用したエフェクト

これが低域に使用したプラグインだ。

超低域はわずかに歪ませて少し主張する感じがほしい。Kramer Tapeはそんな要望に完璧に応えてくれる。超低域を破綻させることなくパワーを与えてくれるのさ。これが僕が使ったセッティング。

基本的には、わずかに歪ませる程度に使っているだけで、テープノイズやワウフラッター、ディレイは加えていない。ご覧の通りVUメーターが振り切るほどアウトプットレベルが高くなっている。今回のケースでは、僕が求める結果(サウンド)になってくれたから良かったけど、もし出音に自信が持てなければ、歪みは控えめにしたほうがいいという事を覚えておいて欲しい。

次のプラグインスロットにはS1を使っている。Widthスライダーをゼロにすることで、超低域をモノラルに変えているんだ。僕の作品はアナログレコード盤でリリースされることが多いので、低域にステレオ成分がないほうがいい、というシンプルな理由さ。

最後に、Renaissance Bassを使用している。これは超低域をほんの少し加えるためだ。家庭用のコンポとかオーディオでは聞こえない部分かもしれないけど、クラブとかで再生するときに大きな違いが出てくる。ほんのちょっとの違いが大きな差を生むのさ。下のスクリーンショットのように、オーバーロードしないように気をつけて。

ここまでの処理で、低域はこんな風に仕上がった。

超低域はわずかに歪ませて少し主張する感じがほしい。Kramer Tapeはそんな要望に完璧に応えてくれる。超低域を破綻させることなくパワーを与えてくれるのさ。これが僕が使ったセッティング。

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激しく、かつ最高のボトム。そしてセンターに定位したサウンド。最高だね。


  • 中域に使用したエフェクト

中域はもっとプラグインを使っている。プラグインはこんな感じ。

中域にはさらにエッジ感が必要だ。元のサウンドも悪くないんだけど、もっともっとエッジ感を引き出してあげたい。

ということで、まずはManny Marroquin Distortionを使う。このプラグインはとてもアグレッシブで、歪ませたサウンドを原音に少しだけ混ぜてあげることで、ほんの少しの主張と、特別な倍音を産み出すことができる。


次のプラグインスロットにはRenaissance EQをつかい、中域の中でもオイシイところを2つくらい見つける。繊細なストリングスの処理をしているわけじゃないから、オイシイところを見つけるのに思い切って大胆になっていいんだ。

この時点で僕が求めていたベーシックなサウンドはできあがった。でももう一癖ほしいところだ。ここで変化球的にMetaFlangerを25%:75%(原音:エフェクト音)の割合で使う。ここでは僕のお気に入りプリセットの”Mutron Biphase”を使った。簡単にSFチックなサウンドに仕上がるよ。試してみて。

中域はぐっと前にでてこなくちゃいけない。なのでここでL2 UltraMaximizerを使って、10dbくらいのリダクションがかかるくらいパンパンにつぶす。大丈夫、僕を信じて。

最後に、リバーブを使う。僕はRenaissance Reverbの”Studio B”プリセットを使った。どんなリバーブタイプを使うか、そしてどれくらいリバーブサウンドを付加するかはそのセッションによって様々だ。曲に合わせて調節しよう。僕はこうして中域だけにリバーブを掛けるのが好きなんだけど、こうする事で高域や低域でリバーブサウンドが暴れることなく、いい広がり感が得られるんだ。ナイスで、かつ控えめに仕上がる。

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  • 高域に使用したエフェクト

これが高域に使用したエフェクト。

最初に使ったC4の後にOneKnob Driver、そしてAphex Vintage Aural Exciter。極めてシンプルだけど、これが大きな違いを生むのさ!

OneKnob Driverのツマミをぐっと上げてゲインアップ。ここで欲しかったのは、安定した高域と明瞭感だ。この小さなプラグインは、まさにその欲しい部分を出してくれる。


それからAphex Vintage Aural Exciterを「香り付け」に使った。こいつは単純明快なプラグインなので、ここでは説明しない。

できた!これが高域の音だよ。

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  • 最後の仕上げ

さあ、低域・中域・高域のそれぞれのレイヤーが完成した。ここで大事なのは、それぞれのボリュームバランスに気をつけてベストなバランスを探すこと。参考になるようなCDとかを持ってきて、A/B比較とかをするのもいい。ブレないように。

最後の仕上げで、3バンドに分けていたそれぞれのサウンドを1つのバスにまとめ、L2 Ultramaximizerを使って4dbくらいのリダクションがかかるように設定する。この処理でサウンドにまとまり感がでて、さらに「最後の一押し」を得られる。

これが仕上がったサウンドだ。

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ひとつのサウンドを複数の帯域に分けて処理をするというのは、なかなかパワフルなテクニックだ。それぞれの帯域をどう音作りするか、各帯域をどうバランス取るかによって、無限のサウンドを作る事ができる。このテクニックは、ベース以外にも使えるテクニックなので、色々ためしてみてね。


03 4月 13

天才サウンドデザイナーの新作ムービー


スタッフHです。

本ブログでも何度かご紹介しているSpectrasonicsのサウンドデザイナー、ディエゴ・ストッコさん。彼はSpectrasonicsでOmnisphereやTrilianなどのサウンドデザインに携わる一方、アーティストとしても優れた作品を数多く生み出しているのですが、そんな彼の新作ムービーがアップされていました。

タイトルは「葉っぱとターンテーブルのデュエット」

ターンテーブルの回転に逆らうように様々な種類の葉っぱを当て、その(微細な)振動をマイクで広い、加工してこの曲を作っているのだそうです。ベースも、キックも、スネアも、全てを。

“先日、とある実験のためにターンテーブルを買ったけれども、期待したような結果が得られなかった。そしたら、ターンテーブル上の等間隔に刻まれた部分に気がついて、その時別のアイディアが浮かんできた。

約一時間、ターンテーブルの回転に逆らうように葉っぱ(数種類の葉、角度、圧力、折り目によってサウンドが決まる)をこすりつけ、短いフレーズをレコーディングし、サウンドをいくつも組み合わせてみた。ベース、キック、スネアなど全ての音はこのときのレコーディングで録ったものだ(EQやコンプレッサー、レゾネーターなどを使って加工した)。”

言葉にするといかにも曲芸的に思えますが、ディエゴさんの作品はいずれも「音楽的」である事がポイントでしょう。きちんと音楽としてイイものになるまで作り上げ、その後にドキュメントのように映像を差し込む。誰も注目していなかったものから「音楽」を作り出す。

以前も書きましたが、ディエゴさんは目や耳や鼻や指先だけでなく、まったく別のセンサーが備わっているように思えてなりません。


ディエゴさんのその他の作品は、下記のリンクよりどうぞ。

Vimeo : Diego Stoccoリンク


21 5月 12

たまにはミックスを「壊す」ことだって


スタッフHです。本日は、使う人によって無限の遊び方がある製品をひとつ

ミックスを行っていく過程で、みなさま様々なプラグインやアウトボードを使われていることと思います。コンプやリミッター、EQ、リバーブ、ディレイ、歪み系、モジュレーション系、ときには「通すだけでいい感じになる系」とか「自動的にイイ事をしてくれる系」なんてものもあるかもしれません。

でもね、たまには「壊してみる系」はいかがですか?


EQやディストーション、あるいはビットクラッシャー系のエフェクトを使うことで格好いいラジオボイスや無機質な効果を出す事はできます。が、どうせ壊すならすんごい技術が(ひっそり)使われているもので壊すのはいかがでしょう。そんな製品を一つご紹介します。今はまだあまりポピュラーな製品ではありませんが、私・スタッフHは大好きな製品で、これこそが「The Plugin」だと思うMcDSPのFutzBox(ファッツボックス)です。

文字の説明よりも、ビデオの説明の方が面白いのではないかと思いましたので、ひとつビデオを作りました。5分と少々長めですが、「変わったもの好き」の方にはお楽しみ頂けると思います。

ビデオの前半は解説。後半はボーカルトラックにFutzboxをかけてみたものを並べています。

McDSPのスタッフってね、(いい意味で)音楽狂が多く、私は心から大好き。インパルス・レスポンスを用いるといえば多くの場合がリバーブなのに、彼らは全力をかけて変わったものを集めてこんなものを作り上げました。ボーカルだけではなく、ありとあらゆるソースに使って楽しいプラグインです。

通常のインパルス・レスポンスだと少々自由度が低い(どうしてもIRデータに左右される)のですが、Futzboxで用いられているSIMならば、通常のエフェクトプラグインと同様のサクサク感で使う事ができます。ちなみに負荷もかなりひくめ。

それぞれの「変わったもの」インパルスを読み込んだ後も、さらにディストーションやフィルター、ノイズ発生機やビットクラッシャーを用いる事もできます。ビデオでも使用している「有名すぎるおもちゃ」Speak & Spellのキャラクターを用いつつ、さらにノイズを混ぜたり、フィルター掛かったサウンドに仕上げる事もできるのです。

壊し系のエフェクトが大好きな方には同意していただけると思いますが、「ローファイ」という単語を1つ取っても、そこには数限りのないバリエーションがあります。ただ単にラジオから流れてくるような音がいいのか、そのラジオは新品のように比較的きれいな音がいいのか、それとも壊れ寸前のような音がいいのか。Speak & Spellのような有名なおもちゃから聞こえるような音を「自分の声で」作ったり、ブラウン管のテレビから聞こえるような音を曲の中のスパイスとして使ったり。使う人によって無限の「遊び方」がある製品です。

>> McDSP FutzBox製品詳細ページ


05 4月 12

サウンドを「デザイン」するということ


スタッフHです。

私たちのウェブサイトや本ブログ、TwitterやFacebookではおなじみのSpectrasonicsのサウンドデザイナー、ディエゴ・ストッコさん。彼はサウンドデザイナーとしてだけではなく、アーティストとしても素晴らしい作品を産み出しつづけており、新しい作品をいつも楽しみにしている方も多いことと思います。

彼の作品にまだ触れたことがない方は、ぜひ彼のウェブサイトでそのインパクトある作品をチェックしてみてください。

http://diegostocco.com/(注:音がでます。リンク先の”Watch”からご覧ください)

ディエゴさんの作品はつねに新しいもの・ことにフォーカスしています。誰も「楽器」だとは思っていなかったものから、まったく新しいサウンドを創りだします。ときにそれは「盆栽」だったり、「クリーニング店のマシン」だったり、「砂」であったり、ときには既存の楽器をバラバラにし、再構築してしまうなんてこともあるのです。

言葉だけを並べると単なる曲芸のようにも見えますが、産まれてくる作品は有機的であり、音楽的です。アーティストとしてのディエゴさんの頭の中、あるいは目の奥には、他者とは違うセンサーがあるのかもしれません。

さて、そんなディエゴさんが「フィジカルモデリングに興味があるなら、この製品をチェックすべし。単なるアコースティック楽器の再現を超越しているよ」と紹介していたのが、Applied Acoustic Systems(AAS)の最新製品、Chromaphone(クローマフォン)です。

言葉の説明はさておき、このビデオをご覧ください。サウンドを「デザイン」することの考え方が変わるかもしれませんよ。

いかがですか?

ビデオ中でも触れられている通り、ここで聞こえる全ての音は、Chromaphone「だけ」で創られた音。有機的なビートも、エレピのようにもガラスの棒のようにも聞こえるメロディーも、全てがこのChromaphoneで「創りだした」楽器なのです。サンプルは一切用いておらず、約20メガバイトしかないソフトウェアの中で

近年多くの音源は、「既存の楽器やビンテージシンセをいかにリアルに再現するか」にフォーカスしています。もちろんそれも制作上では大切なことですが、何かの再現ではなく、まったく新しい楽器をデザインし、サウンドを創りだすのはいかがでしょう。

自分で創ったサウンドをポロポロと弾いていたら、不思議と曲が産まれた、なんてこともあるかもしれませんよ。

→ AAS Chromaphone:製品詳細ページ


17 2月 12

あのバンドの音みたいに「ギターをもっと太く、ラウドに」したい


スタッフHです。

好評の「MixがうまくなるTips」、本日のお題は「ギターをもっと太く、大きく、ワイドに」するためのテクニックをご紹介。ロックや、ギターポップ、ジャンルを問わずに使えるテクニックです。

太く、大きく、ワイルドに。もちろん様々な方法があります。ひたすら何本もギターを重ねていく事でも得られるでしょうし、特殊な方法なんか使わなくたって、マイク一本だけで図太く格好いい音をレコーディングできる方だって沢山いらっしゃいます。ですから、本日ご紹介するこのテクニック「だけ」が最高の方法とは思わず、いつか「あれ?そういえばこんな手法がなかったっけ?試してみようかな」くらいに気楽に構えていただけるとうれしいです。

今日のこの秘技を伝授してくれたのは、リンキン・パークやKISSをはじめ、名だたるロックレコードのミックスを手がけてきたケネス・”プーチ”・ヴァン・ドルーテン氏。この方はライブサウンドにも定評があるリンキン・パークのFOHミックスも担当されたりしていますね。

そんなケネスさん(通称、KENさん)が、まさに「リンキン・パークみたいなギターサウンド」を作る際に使用している“ギターをもっと太く、大きく、ワイドにする”テクニックをご紹介してくれます。

「存在感がありつつも、ボーカルや他の楽器を邪魔しない」当たり前の事かもしれませんが、なかなか難しい話です。たった1本のギターをラウドにし、かつボーカルなどを邪魔しないサウンドを作る。実戦から産まれた一級エンジニアのテクニックをどうぞ。

いかがでしょう。このテクニックを使うだけではっきりと分かるくらいの効果がありますね。

音を厚くする手法という意味では、ダブリングは最もポピュラーな方法です。でも、何本もギターを重ねた結果、逆に収集がつかないほどギターが大暴れして歌の邪魔をしてしまったり、コーラスっぽくなってなんだか迫力がなくなっちゃったりなんてこと、ありませんか?

このビデオから読み取れるTipsをざっと抜粋すると、

  • 対象となるギターをAUXバスに送る
  • AUXバスにWavesのDoubler monoをインサートする
  • Doublerでは原音をカット(ウェット100%)。
  • Doublerのフィードバック設定も0。

この設定により、17msのズレ/6セントだけピッチを上げた「もう一本のギターテイク」ができあがったことになります。最後のポイントは、

  • 元のギターのパンを10時くらい、Doublerで作成したギターのパンを2時くらいにセット。

これにより、ボーカルやスネア、キックなどのセンターに位置する楽器のためにスペースを確保でき「ラウドで存在感はありながら、他の楽器の邪魔をしない」ギターができあがるという訳です。

Waves Doublerは、その名の通り「まるで複数のテイクを重ねたような」効果を得られるプラグインです。一般的には対象のトラックにインサートして使用しますが、今回のようにAUXに送って使用してもまったく問題ありません。さすがのテクニックですね。

Doublerは様々なWavesバンドルに収録されています。


02 9月 11

ダブステップ・ベースサウンドを作るコツ


スタッフHです。

本日はサウンドメイキングのコツムービーを1つご紹介。SpectrasonicsのOmnisphereを使って、単なるサイン波からダブステップで生きるベースサウンドを創りだすコツが紹介されています。

V1.5で新規追加された機能を用いてのサウンドメイキング。サンプルは一切使っていません。


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