Sound Recording & Mixing Engineer

Jun Tendo

09 Nov 08

SuperStealth プロモーション、選ぶならどれ? 総括 + アップグレード構想 編

IK Multimedia / SuperStealth プロモーション関連記事の最終回です。

いままで数回に分けて4種類の Plug-In をざっと記事にしてみたわけですが、4つの中から1つ選ぶ際のポイントとして、自分自身が今、機材に何を求めているか・・・という自問自答も多少必要になってくるかとは思います。

Ampeg SVX - AMP SVT-4 PRO

ベーシストの場合はおのずと Ampeg SVX という選択肢が見えてきますが、ギタリストの場合は周りのメンバーや相方のギタリストがいる場合、どのようなサウンドを出したいと思っているか・・・または、どういった振り分け方でパートを受け持つかなどでも決定項はある程度絞る事が出来るかも知れませんね。

そして、最終的には好みのサウンドをまず選んで、それを自分のテリトリーとする方法も有りですね。単純にインターフェースやアンプの種類に好きな物が有るから・・・という選択肢でも、楽器はそのようなとっかかりから選んで自分のキャラクターにするパターンは有りだと思いますので、見た目で気に入った物を選んでから自分の好みにして行く・・・という選択肢も有りと思います。

選ぶ Plug-In は録音前提だけで考えなくても、ライブで数種類のアンプやキャビネットを持ち歩かずに、同等のサウンドをコンピューターと StealthPlug だけを使って出すための方法論にチャレンジしてみる・・・という使い方は、機材のメンテナンスやその時々による機材状態の不安定さなどから解放される手法としても可能なので、じっくり考えてみて下さい。

これら Plug-In を使ってみて、ある事に気がつきました。・・・それは、元々のアンプ達がアメリカの 120V 60Hz AC やイギリスの 220V 50Hz AC などの環境で作られたアンプで、当然リファレンスもそれら電源環境にて最善のサウンドになるように仕上がっているはず・・・ということは、日本のように貧弱な 100V 50/60Hz AC 環境下(または100V仕様に変更)(時には95V位まで電圧降下している環境)で使うと本国仕様とは音の太さも違いキャラクターが100%出ていないアンプの音にならざるを得なかったであろう事。・・・Plug-In のモデリングをしている環境はオリジナル生産国の電源環境のため、本来のサウンドが出ているところでデータ化されているわけなので、各々のアンプが本来出せていたサウンドが出ているはず。・・・そう言った事を考えると、ライブ・ステージなど電源環境が劣悪な中で安定したサウンドをいつも出す上で、Plug-In はそれまでの「バーチャルな代用品」から少し趣旨が変わって来るような気配がしています。スタジオでも平気で98V位までしか電源電圧が無いケースも多いので、この点は電気楽器にとって痛いですよ。ベースに至っては電圧が低いほど低域のパワー感は出ませんからね・・・Lowが出るとかという単純な事より中低域のパワフルさは別物です。Plug-In の方がギターの中域がねばり強くクリーンでも実体が豊かなのはそう言った事だったのか・・・と、気付かされました。今まで意外と話題にはなっていませんでしたが・・・

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そして本題から少し離れ、更にアップグレードされたシステムを組む方法論もあるので、ちょっと追記しておきます。

ギター・マガジン 2008年6月号「定番サウンドでチェックする プラグイン型アンプ・シミュレーターの実力」という誌面企画時に X-GEAR という複数の Plug-In 間を自由自在に組み合わせて使用できるソフトと、Stomp I/O という AmpliTube の STOMP セクション内で使用しているコンパクト・エフェクターを実際のハードウェア同様にコントロールしたりメモリーしてあるプリセットを切り替えるフット・スイッチ類が装備されたボードを使う機会があったのですが、この考え方にはかなり同調してしまいました。

さらに Stomp I/O 拡張ペダルを使うとワウ・ワウやボリューム・ペダルも通常のハードウェア同様にコントロールできるので、これも今まで通りのフット・ボードとして機能しますね。

実際のステージ上におけるギタリストやベーシストの足回りにあるコンパクト・エフェクター類やボリューム・ペダル類・・・さらにラックのエフェクター・ルーティングを切り替えたり、プリセットを選んだり・・・などセッティングだけでも大変ですが、それら機材群+オーディオ・ケーブルなどに掛かる費用も並大抵では済まされないはず。

そういった悩みから解放される方法として、Stomp I/O はバーチャルな機材として存在する Plug-In を、いかにも普通にハードウェアで構成しているのと変わらない使い回しが出来るメリットがあるので、DTM作業だけに囚われないでライブなどでの演奏にも積極的に使える機材にまで進化しようとしている感じがしました。しかも録音時に同じ Plug-In と Stomp I/O 群で作業していれば、ライブ前リハーサルで少しだけライブ用にモディファイすればライブでもほぼ同じサウンドで演奏できるなど、コンピューターのCPUが超高速な物に進化したお陰で、レーテンシーも少なくなり益々使える機材になりつつあるように感じています。

X-GEAR - STOMP

各インターフェースの右上の方に StompIO というボタンが付いているので、これを押すと Stomp I/O がアクティブになるという簡単な設定もありがたい感じがしました。

調べてみるとどうやら、Stomp I/O には現在もまだ豪勢な事に AmpliTube 2、Ampeg SVX、AmpliTube Jimi Hendrix、AmpliTube Metal、X-GEAR と全部くっ付いている初回特価版としてのパッケージが有るのですね・・・Plug-In 1つが約4〜5万円近くするのに全部付きでフット・ボードのハードウェアが手に入る、これも太っ腹なキャンペーン特典だと思いました。

11月末までなら拡張ペダルかダブル・フットスイッチがもれなく付いてくるプロモーション中だということで・・・ギタリスト/ベーシストに対する企業姿勢には一個人としてとても好感が持てました。

そして X-GEAR なのですが、X-GEAR を使うと AmpHead は AmpliTube Metal で、キャビネットは AmpliTube 2 のやつ、そしてSTOMP と RACK セクションでは全ての混合使用が可能になるので、Stomp I/O 無しでも縦横無尽な使い回しが出来るところには、使う人なりのオリジナリティを存分に発揮できると感じました。

X-GEAR - Sample 01

特に複数の Plug-In を股に掛けた時に起こる現象としては、単一機種では思いつかなかった組み合わせの妙による化学変化というか、思ってもみなかった効果を得られる事があるので私からはかなりお奨めできる感じです。

X-GEAR - Sample 02

仮に、もしジミヘンが生きていて1994年頃のシアトルに舞い戻ってきて演奏したら・・・たぶんこういった感じになったかも知れないな・・・というようなイメージで音作りをしたいと思った時に、STOMP では AmpliTube Metal と AmpliTube Jimi Hendrix のを組み合わせて使い、AmpHead は AmpliTube Jimi Hendrix のを使って、キャビネットは AmpliTube 2 のを選び、マイクも新しめの種類を立てて、RACK では AmpliTube Jimi Hendrix と AmpliTube Metal と AmpliTube 2 のを混ぜて・・・といったような使い方で、とことん満足行くまで音作りが出来るあたりは考えたり試しても切りがないので愉快だと思います。

X-GEAR - RACK

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そんな感じで、メーカーの回し者でも何でもないですが、AmpliTube は出た当時から意識していた Plug-In だったため、競合他社からも様々な物が出てくる中において独自の進化と独自の使いやすさを存続させている部分には割と贔屓目な所もありましたが、これにて連載記事は締めくくらせてもらいます。

最後までお読みになって頂きどうもありがとうございました。

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プロフィール

1982年にヤマハ渋谷店でキャリアをスタート、1985年のStudio TWO TWO ONE 設立と共にエンジニアとして参加。その後Z’sへ参加し1990年よりフリーランスに転身。(Twitter ID = JacoTen2)

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