Sound Recording & Mixing Engineer

Jun Tendo

10 Oct 08

Jaco Bass Solo, Joni Mitchell Live

前回に引き続き、今回もJaco Pastoriusに関する話題で恐縮ですが・・・

Joni Mitchell のアルバム「ミンガス」発売後に行われたツアー中、1979年9月にカリフォルニア “Santa Barbara County Bowl” で収録されたライブでのベース・ソロです。

(Jaco Pastorius (eb) Live in 1979)

WEATHER REPORTのコンサートなどでも観客にとって一番楽しみにしていた見せ場であり、MXR Digital Delayを使いフレーズをループさせ、その上で弾きまくるソロ・コーナーなんですが、このライブ盤でのサウンドが結構良いんです。色々出ている作品の殆どがDelayのループ音とソロで弾いている音に違和感があり、どちらがどのような用途で使用されていたか資料に乏しいのですが、Acoustic #360(ヘッド、プリアンプ部)+ 361(45cmスピーカー1発入りキャビネットで200Wのパワーアンプ内蔵)とAcoustic #320(プリ・300Wパワー・ヘッド)+ 408(38cmスピーカー4発入り)の組み合わせから出ている音とラインの音などがうまく収録されていなかったりミックスされていないケースが多い中、この映像作品に収録されているサウンドは実際にコンサート会場で聴けるサウンドに一番近く、マイクが両方のキャビネットに立てられているので一番ジャコらしいサウンドとして記録されています。

acoustic 360+361

acoustic 360+361

おそらくこのライブ以外では収録する側がどのアンプをどの用途で使われているかまで把握できていなかったせいもあるでしょう。その為、MXRのDigital DelayのShort DelayでPitchを揺らすセッティングにて作られた独特のダブリング・コーラス効果も他のライブ盤より気持ちよく聴く事が出来るので、ジャコ・サウンドをライブで出したいと思う人には良い資料となるはずです。ジャコのサウンドはラインだけで収録された物と実際に会場で聴けるAcoustic Bass Ampからの音では随分と印象が違い、私はこの作品に残されたサウンドが一番好きです。

因みにこのツアーに参加していたメンバーは、Joni Mitchell (Guitar, Keyboards, Vocals)、Michael Brecker (Tenor Saxophone)、Pat Metheny (Guitar)、Lyle Mays (Acoustic Piano, Keyboards)、Jaco Pastorius (Bass)、Don Alias (Drums)、The Persuasions (Vocals) など錚々たる顔ぶれで、今やMichael Brecker、Jaco Pastorius、Don Aliasらがこの世に居ないのは寂しい限りです。

YouTubeの方にあるこの映像もそのうち無くなってしまうとは思いますがJoni Mitchellの「Shadows and Light」というCDと映像作品が別々に発売されていて、ジャコのベース・ソロが収録されているのは映像作品の方だけ・・・Pat MethenyとJaco Pastoriusがフロリダ大学時代からの旧友としてツアーを共にする見所いっぱいの映像作品です。

それにしても、1981年6月7日に何故WEATHER REPORTのコンサートが杉並にある普門館ホールでも行われたのか、その経緯は未だに謎のままです。普段とはかなり違う会場の雰囲気で、敷き詰められた分厚いカーペットと重厚な客席の椅子で観るコンサートはかなり異次元な感じでした。Joe Zawinulのシンセの音とJacoのベース・アンプから出されている音の大きさはまるで音で喧嘩しているかのごとく大きくて、生楽器のWayne ShorterとPeter Erskineの音がかき消されるくらいだったのがとても印象に残っています。

Profile

プロフィール

1982年にヤマハ渋谷店でキャリアをスタート、1985年のStudio TWO TWO ONE 設立と共にエンジニアとして参加。その後Z’sへ参加し1990年よりフリーランスに転身。(Twitter ID = JacoTen2)

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