Sound Recording & Mixing Engineer

Jun Tendo

16 Nov 08

Abbey Road Plug-Ins / Brilliance Pack

Abbey Road Plug-Ins から出ている Brilliance Pack という物があるのですが、もともと1960年代にEMI Studio London(通称:Abbey Road Studios)のテクニカル・エンジニアによって作られた EMI RS127EMI RS135 というプレゼンス帯域を持ち上げる為の機材が、伝説のREDD ミキシング・コンソールに接続して使用するEQ Boxとして存在し、それらをDAW向け忠実にモデリングしたものです。

Beatles のレコードやCDを聴いていると、PULTEC 系のEQやEMIのコンソールだけで作られたにしては随分とプレゼンスが素直に伸びつつ綺麗に処理されているなぁ〜と長年追い続けていたのですが、PULTEC EQでどう頑張っても近づかない部分があって・・・色々試行錯誤し続けていました。Abbey Road Studiosで使われていた機材として現在復刻されているChandlerのTGシリーズが香り成分としては近い物を感じつつも、やはりもう一つ何かが違う・・・

特に『 I Am the Walrus 』のCelloなどで聴ける「硬いんだけど痛くない高域」の処理はどうやっていたのかな?と、実は長年の謎でした。そんな折 Abbey Road Plug-Ins のサイトを見ていると、なんだか地味そうだけど変わったルックスの Plug-In が出てきたな・・・という流れからデモ版をダウンロードして使用してみると、設定可変出来る部分がやたらと少ない割にほどよく色づけされた音色といい、プレゼンス帯域の変わり方が気持ちよく・・・そのまますぐさまサイトの方から購入してしまった経緯があります。

選択可変出来るポイントが非常に少ないので、GMLなど1980年代以降のEQと比較すると一瞬たじろいでしまいそうなんですが、RS135 は倍音成分だけが伸びやかに張り出してきたりするので、GMLのMDW Hi-Res Parametric EQでそういう感じにしようとしてもなかなか思うように出てこなかった倍音成分が足される感じがして、かなり気に入って使っています。しかも RS135 は 8K/C(=8KHz)に周波数が固定されていて、変化の具合も紳士的というかあまり極端にブーストされないので見かけによらず繊細な使い方でもOKです。

RS-135

RS-135



楽器毎やグルーピングされたトラックに使っても効果はありますが、仮マスタリング的にMASTER FADERにインサートしても、ほんの少しだけ倍音だけ足したい時などに使える感じがしてます。

RS127 の方はパラメーターをいじらずフラットのままでもAGや生PIANOなどで使用すると倍音成分だけ伸びているというか艶が出てくるので、EQという感覚より倍音付加フィルターというような使い方も出来ますね。そして周波数を選んでブーストすると変わり方は顕著になり、ジャキ、シャリ、キラン・・・と様変わりします。これは硬いけど痛くない質感になってくるので嬉しいところです。

RS-127 Rack

RS-127 Rack


RS-127

RS-127



Pink Floydも初期にはAbbey Road StudiosでBeatlesが使わない間をぬってスタジオ入りし、その後はAlan Parsons(Beatlesのアルバム「Abbey Road」でアシスタント・エンジニア)が「狂気」ではエンジニアリングとして参加している事などからの勝手な想像ですが、きっと RS 127RS 135 は彼らの音源の何かに使われていたに違いない・・・と睨んでいます。

最近はAPIのEQをモデリングしたWAVESのAPI 550AAPI 550Bも気に入ってはいるものの、この Brilliance Pack のEQで作られる高域成分は似たものが見あたらないので、APIやGMLなどと使い分けて「ProTools|HDなのにアナログの質感」を相変わらずたしなんでいます。


【 Specification 】
Three plug-in modules: RS127 Rack, RS127 Box and RS135
EQ curves from vintage Abbey Road hardware
Exact replication of original design and controls
Automation and control surface support
Available in TDM, RTAS, Audio Unit and VST formats

【 System Requirements 】
Pro Tools 7.x or any AU/VST host
Mac OS X 10.4 (or higher) or Windows XP
iLok Smart Key and ilok.com account

Profile

プロフィール

1982年にヤマハ渋谷店でキャリアをスタート、1985年のStudio TWO TWO ONE 設立と共にエンジニアとして参加。その後Z’sへ参加し1990年よりフリーランスに転身。(Twitter ID = JacoTen2)

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