「さよならヤマハ渋谷店コンサート」
44年の歴史に感謝を込めて、ミュージシャンが自らコンサートを企画。
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1966年11月12日、渋谷区道玄坂2-10-7に、ひときわ大きな楽器店「ヤマハ渋谷店」がオープンしました。ヤマハ直営の楽器店としての側面だけではなく、音楽教室/ライブ・ハウス/R&D等も併設し、音楽の情報発信/交流の場として、プロ・アマ問わず、多くの音楽家から愛されて続けて来た場所でもありました。
このコンサートでは、普段はあまり観る事が出来ないミュージシャンの組み合わせによるユニットでのアンサンブル、歴代のシンセサイザーとキーボーディストが総動員で演ずるセクション、このコンサートの為だけに、松井 五郎・作詞、山川 恵津子・作曲で特別に書き下ろされる曲など、今までの日本国内音楽シーンの中においても他に例を見ない・・・まさにヤマハ渋谷店44年の歴史、それとリンクし、リスペクトする幅広い楽曲の数々が繰り広げられるコンサートです。
ヤマハ渋谷店閉鎖に手向けたこの動きに際して、ヤマハ関連からのご厚意も受けられリンクされた状況になり、ヤマハ銀座スタジオから2日間のリハーサルに向けたスケジュール調整、ヤマハミュージック東京 ART渋谷からYAMAHA CF ⅢS コンサート・グランド・ピアノなどの貸し出し手配、株式会社エピキュラスの音響グループからSRチーム構成など、まるで、何十年もかけて拡散していった多くの才能が、各々握りしめたパズルの欠片を渋谷に持ち帰って、ひとつの大きな絵に仕上げるかのようなヤマハ連携で、このコンサートに向かっています。
さらに、ミュージック・トラック社のご協力で、ヤマハが1983年に発表した名器DX-7を軸とした、歴代のシンセサイザー群が用意され、往年のシンセサイザー・サウンドがSHIBUYA-AXに轟き、デジタル・シンセサイザーの原点から見つめてきた渋谷店に相応しい、そんなコンサートにもなっています。
この、決して再演は行われない、最初で最後の、ヤマハ渋谷店と共に歩んできたミュージシャン達の決起による「さよならヤマハ渋谷店コンサート」・・・多くの人たちの記憶の中に、渋谷店の記憶と共に残るようなコンサートに、ぜひ足を運んでいただき、その目と耳で、渋谷店の歴史を私たちと一緒に思い返し、未来へ繋げましょう。
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これを読んで下さった音楽ファン、楽器ファン、そしてヤマハ渋谷のファン、皆さん是非足を運んで下さい。私、天童 淳がSR面で参加してレコーディングのサウンド・ノウハウも投入し、株式会社エピキュラス 音響グループと一緒になって、新しいサウンドをお聴かせします。
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チケットは、キョードー東京、他プレイガイドから、6,000円(ドリンク代別)で12/11より発売中。
出演者:
大澤 誉志幸 (Vo, Gt)、小坂 明子 (P, Vo)、サンプラザ中野くん (Vo)、中西 圭三 (Vo)、吉田 美奈子 (Vo)、ホッピー 神山 (Key) + 福岡 ユタカ (Vo)、坂本 朱 (Vo)、島村 英二 (Ds)、岡沢 章 (B)、後藤 次利 (B)、斉藤 英夫 (Gt)、椎名 和夫 (Gt)、古川 望 (Gt)、松井 五郎 (Lyric)、松下 誠 (Gt, Cho)、松原 正樹 (Gt)、倉田 信雄 (P, Key)、山川 恵津子 (Key, Cho)、氏家 克典 (Key)、篠田 元一 (Key)、福田 裕彦 (Key)、松武 秀樹 (Syn)、小川 文明 (Key)、向谷 実 (Key)、宮崎 隆睦 (Sax)、DJ TARO (DJ)、弦一徹グループ (Strings Section)
日時:2011年1月19日(水)18:30開場 19:00開演
開場: SHIBUYA-AX
チケット:キョードー東京、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、CNプレイガイドで発売中
インターネット有料配信を予定しています。
詳しくは > 「さよならヤマハ渋谷店コンサート」公式サイト
ビートルズが日本武道館での来日公演を果たした1966年、日本国内は高度成長期まっただ中でした。そして同年11月12日、渋谷のハチ公口を降りてスクランブル交差点を渡って左側坂道の道玄坂の中腹より上に「日本楽器・渋谷店」がオープンしました・・・今から44年前の出来事です。
今回は前回のHLS Channelに引き続きWAVESから発売されたばかりの Eddie Kramer PIE Compressor に関してです。
PIE Compressor と HLS Channel に関しては Waves Inside Tracks: HLS Channel&PIE Compressor 開発者インタビュー で興味深い開発中のエピソードなどを読む事が出来るのはとてもタイムリーな感じです。インタビューを読んでからは尚更PIEとHLSに愛着が湧いてくる感じがしました。なにせEddie Kramerが出音をきちんと確認してくれているのだから、今までのように設計開発者がデジタル・プログラマーの腕と動作的理論値だけでPlug-Insを完成させたのとは訳が違うという事です。
私が書く内容は今回も実際に使用した中での印象などを具体的に書かせていただきます。
出音に関して言葉を羅列するより解りやすいところで、AmpliTube3を使用したデモ・セッションのミキシングに PIE Compressor を追加して、どのようにサウンドが変化したのかを聴いてもらいながら、PIE Compressor のありがたき部分などもいくつか記述します。
まず、PIEはHLS同様に、実機のもつS/Nまでも大切に愛情を持ってモデリングされていて、PIE Compressorでもオーディオ上に機材のS/Nが加算されています。でも、オリンピック・スタジオで作業すれば必ずつきまとうサウンドなので、この際そんな事は気にしていませんでした。S/N部分が気になる人は、ANALOGというスイッチをOFFにすればS/Nからは解放されるので、完全デジタル志向ノイズ・レスでトラック・メイキングしたい人にはOFFという選択肢が用意されている辺りはWAVESらしい感じです。
音色変化などの参考用に「オリジナル」「AmpliTube3のみ」「AmpliTube3+PIE Compressor」という状態のMP3を参考にしてみて下さい。
【ベース / オリジナル】
【ベース / AmpliTube3のみ使用】
【ベース / AmpliTube3+PIE Compressorを使用】
WAVESからリリースされたばかりのPlug-Insで、Eddie Kramerが監修で参加している HLS Channel / PIE Compressor をMedia Integration様のご厚意により試用させてもらいました。今回の投稿ではHLS Channel(H/AとEqualizerユニット)の方をとりあげます。
この2種類は既にリリースされているSignature Seriesの The Eddie Kramer Collection はEddie Kramerの方針で各楽器に対して処理するプロセスを対象音源毎にひとまとめにした物ですが、それとは異なり、WAVESのページでも説明書きがあるように、ロンドンのオリンピック・スタジオに導入されていたHelios Mixing Consoleのモジュール部分をEddie Kramer監修の元、忠実にモデリングされたPlug-Insとなっていて、Abbey Road Plug-Ins同様にユーザー・インターフェースのデザインも音処理の質感同様に現物そのまま・・・という志向になっているところがたまりません。
因みにWAVESのページにも記載がありますが、オリンピック・スタジオではBeatlesが1967年に「Baby You’re A Rich Man」のレコーディング・セッションで使われたり、Jimi Hendrix、Led Zeppelin など錚々たるミュージシャンのレコーディングで、Eddie Kramer自身が参加した事でも記憶に残るスタジオになっていて、Helios Mixing Consoleでセッションを行っていたEddie Kramerが監修という事で、なんともありがたい事になっています。
Jimi Hendrixの新譜として未発表音源がリリースされましたが、こちらの方もHLS ChannelとPIE Compressorが駆使されたのかな?・・・逆にこのMixingの為にWAVESで開発したのかな?・・・と思える時期のリリースとなった事は単なる偶然ではないような気もしています。
まずはユーザー・インターフェースのデザインですが、メーターやフェーダー付近の腐食までもデザインに採り入れられたFender Custom Shopと同類のデザインがイイです。
EQのポイントは API 550A 同様に、限定された周波数に対する増減ですが、私の場合は細かく周波数をスライドさせて効くポイントを探すよりも、このように固定ポイントで必要なところだけイコライジングするタイプの方がサクサクと作業できるので好んで使っています。
BASSに関してはブーストかカットのどちらか一方しか操作できないため、その部分だけはちょっと使いづらい感じですが、BASSの各周波数でブーストした感じがHeliosの特徴なのか、もたつくことなくブーミーにもならず、どんどん太くなってくるので、PULTECのEQP-1A3同様にありがたいBASSのEQな感じです。
TREBLEに関しては10KHzで、SSL G Seriesのx3 モードやGMLなどを使い慣れた人にとっては12KHz〜16KHzを選択できないので物足りなさを感じるかも知れませんが、10KHz以上の帯域にかけても持ち上がってくるので、私にはなにも気になる部分はありませんでした。
10年くらい前のPlug-Insでは通してもサウンドに対して変化を起こせなかった?もしくは変化させる事が良くない事だと思っていたのか?、とにかくどのPlug-Insを使ってもサウンド作りには役立たない代物だらけだったんですが、ここ数年のPlug-Insにおける傾向は、ビンテージ機器の特性を含めて通したときのサウンドや変化の仕方を忠実にモデリングしている物が主流になってきたので、入手不可能または高価すぎて冒険したくないビンテージ機器も安心して数万円単位で使えるメリットを強く感じています。コンピューターのCPUを酷使するところを捉えても、いかに回路全体の反応を事細かくモデリングしていることが解ります。
このPlug-Insのユニークなところは、Helios Mixing ConsoleのS/N(サウンド・パー・ノイズ = 要するにどんだけノイズが乗っかっているか)までもPlug-Ins内で加算する事が出来るため、すっきりし過ぎて寂しい・・・と感じたときなど、ほんの少しノイズ・フロアを足してやるとSynth PADのようにある種のPAD的役割も担ってくれるので、状況的にいつか使ってみようとは思っています。
このConsoleに乗っかっているS/NをPlug-Ins内で足すには、左列最上段の「PREAMP」というつまみを20〜70の方にあげてゆくとどんどんConsoleに含まれているノイズ成分が加算されてくるので、アナログ・コンソールやアナログ回路を使用したレコーディングのリアリティを出したいときには重宝しそうな「おまけ機能」となっています。PREAMPのつまみの位置を70にしたときのノイズ・フロアは流石に凄いですが・・・
HLSとPIEにおいて開発者及びデザイナーの執着心を感じたのは、周波数を切り替えたり、何かのつまみを切り替えると一瞬音が途切れてしまって、メーター上でも同様にガクンと動いてしまうんですが、この辺りはアナログ機器を使っていれば当たり前の接点切り替わり時の現象・・・この事までもPlug-Insで忠実に再現している辺りに、愛情すら感じてしまいました。
AmpliTube3に念願のAcousutic 360が登場したりと、私にとって最上のアナログ機器がどんどんデジタル・モデリング化されて増えてくるのはありがたい事だらけです。
半年もインターバルが開いてしまいましたが、気が付くとお盆も過ぎて残暑見舞いの時期となり、暑いけどもう秋へ向かっている感じですね・・・みなさん夏バテなどせず過ごしていらっしゃるでしょうか?
ところで、WAVESから「Tony Maserati Collection」に続き、待望の「Eddie Kramer Collection」が出ましたね・・・
当時のBEATLESはEMI London Studios(= Abbey Road Studios)の録音機材がコンサバすぎて、なかなか新しいマルチトラック・レコーダーや周辺機器が導入されなかった背景から、そして当時最先端だった外部スタジオに出向く事を希望してGeorge Martin引率の元Olympic Studiosへ出向いたわけですが、EMIの社内規定により外部スタジオへEngineerが出向いてレコーディングを行う事が出来なかった?・・・正確なところはGeoff Emerickの本による記載しかないので定かではありませんが、BEATLESにとってもJimi HendrixやRolling Stonesのレコーディングで使用されていたスタジオと言う事で、何かしらの化学反応を期待していたような気がしています。
1982年にヤマハ渋谷店でキャリアをスタート、1985年のStudio TWO TWO ONE 設立と共にエンジニアとして参加。その後Z’sへ参加し1990年よりフリーランスに転身。(Twitter ID = JacoTen2)
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